フムフムカエル

理解した時に現れるアメフト好きのかえるさん

■まずは社会人選手権を見るためにドームへ!

 私にとって2002年ほどアメフトをみた年はなかったかもしれません。
 ちょうどケーブルTVを契約したこともあって、たくさんのNFLゲームを見る機会が出来たのと、もちろんXリーグもスタジアムまで足を運んで、ナマ観戦をいっぱいしました。

 おかげで、初めて見た一昨年よりもっともっと楽しめましたし、理解も深まったと思います。
 そうしてじっくりみることによって、見る目もだんだん変ってきました。なにより嬉しかったのは、難しいからあとで考えよう、と思っていた「反則」について、少しだけですが見極められるようになったことです。

 そしてXリーグ2002年シーズンの決着を見届けに、12月17日は東京ドームへと向かったわけです。

 また1月には学生の優勝チームとの対決で、日本一を決める「ライスボウル」が行われます。お正月の1月3日に行われるこの試合が終わると、2002年度のアメフトシーズンが終わります。


 そんなわけですから、アメフト関係者の方々は年始のご挨拶をここで行いつつ、今年もお疲れさまでした…、と両方のご挨拶を一度に行うわけですネ。なにしろこの日は、Xリーグと学生リーグの関係者はもちろん、両リーグのファンも一同に会するのですから、取材陣もいつもの倍以上いますし、試合の方も大いに盛りあがります。

 普段からじっとしていることのない私も、お正月とて例外なく出かけていきました。

◆熱競。シーガルズvsフロンティアーズ!

お馴染み試合前のチアさんイベン

 まずは、Xリーグの2002年シーズンの決勝戦となる12月17日東京ドームです。
 昨年はドーム前にバルーンでできた遊戯施設などが沢山でてたのですが、この日はあいにく風が強かったので中止。アメフト関係のゲーム機が数台並んでいただけでした。
 ちょっと寂しい感じではありましたが、その分チアリーダーさん達のオープニングセレモニーはすばらしかったです。

 それにしてもチアさん達のこのショーは、いつもすっごい人気です。
 始まる前からカメラ片手に場所取り合戦があって、いざ始まると押し合いへしあい…、といった感じです。いやー、みている方も盛りあがってますね!


 その他、入場口でのチアリーダーさんとの記念撮影にもとても沢山のお客さんが並んでおりました。
 お子さんと一緒に撮ったりする家族連れの方や、一人でチアさんに挟まれて撮ったりする人もいたりして、人気の高さがうかがえましたね。

 この日は決勝戦ということもあり、Xリーグ在京チームのチアリーダーさんのほとんどがイベントに参加していたのですが、決勝を戦うシーガルズとフロンティアーズのチアさんは、趣向を凝らしたとってもかわいいコスチュームを着ていました。


シーガルズのチアさんは白いサンタさん♪

フロンティアーズのチアさんは赤いサンタさん♪ 「紅白」でとっても縁起よさそー♪

 両チームのサンタさんがそろって、気分はすっかりクリスマスです。シーガルズの応援席には「ツリーの着ぐるみ」の人もいて、こういう雰囲気もいいものですね。

 そうそう。この日(1月3日もそうでしたが)の東京ドームは、普段はネットが張ってある観客席とフィールドの間のネットを取り払って、まるで本場アメリカの試合会場のようになっておりました。これだと視界を遮るものがないだけではなく、なんとなく選手と近い位置で応援できる感じがいいですよね。
 「(グラウンドに落したものを)拾ってくださーい!」と、お客さんから頼まれているスタッフの人もいましたけれど(笑)


◆お客さんの方が強い?

 この社会人選手権の日には、なんとあの「ボブ・サップ」が来るとの情報が入ったので、どきどきわくわくしておりました。
 サップさんはNFL経験者だとか。日本のアメフトがどんなものなのか?見ていただくはずだったのですが、大勢の取材陣に囲まれてしまって、なんだか観戦どころじゃないご様子。人気のある証拠ですね。

 それにしてもみてください。写真でもお判りいただけるかと思いますが、すっごーい筋肉です。あの体で“どかーん”とぶつかってこられたら、普通の人なら絶対に弾け飛んでしまいます。
 そしてなんとなんと!曙関も観戦に来られてたのでした。一緒に並んだ写真を見るとわかるかと思いますが、曙関の方が大きいんですよねぇ…。(なんとなく感動…)
 2人は握手をした後に、サップさんが曙関になにやら日本語と英語で説明していたりして、なかなかおもしろかったです。

 このあと曙関はシーガルズの応援席にファンサービスをしておられましたので、この時観客席にいた方はラッキーでしたね。


見るからにムキムキのサップさん

握手する巨大な2人

ファンサービス中の曙

 試合の方は本当に接戦(詳しくは試合解説で)で、どちらになるのかハラハラどきどき。フロンティアーズはすごく残念だったけれど、次のシーズンは期待大ですね!
 観戦に来られた格闘技界を代表するお二人も楽しまれたんじゃないかなぁ…。

◆新年決戦!日本一はどっちだ?

やる気マンマン立命館大。おっしゃー!

 2002年は、社会人の優勝チームが決まる数日前に学生の優勝チームが決定していました。これが「甲子園ボウル」です。甲子園ボウルは関東学生リーグの優勝校と関西学生リーグの優勝校が、12月の第3日曜日に阪神甲子園球場で対戦するゲームで、今回で57回目を迎えた伝統あるボウルゲームです。

 社会人チャンピオンと学生チャンピオン。この両者が日本一を賭けて対戦するのが、年明けすぐに行われる日本選手権「ライスボウル」で、文字通りそのシーズンの日本チャンピオンを決めるのです。

 「ライスボウル」は毎年1月3日に行われ、NHKテレビでもナマ放送されますので、こちらでご覧の方もいらっしゃると思います。
 去年は関西学院大学の応援団の方々が、途中の大雪で来れないのでは?と心配しておりましたが、今年もドーム付近はうっすらと雪が積もっておりました。
 ドーム内に入っても寒くって、私も一枚多めに着膨れていたのですが、試合は熱かったですね〜。

 たくさんのお客さんが入っておりました。お正月らしく“破魔矢”(初詣の帰りですね!)を持っている方もいらっしゃいましたし、“福袋”まで持ってる方もいらっしゃいました。
 試合は午後2時からでしたので、きっとどこかの初売りに並んで福袋をしっかり確保してから、こちらに向かわれたのでしょうね。ぷぷっ。
 さて、社会人と学生と。両者の試合を見ていると私くらいのレベルの人間でも感じるのですが、なんとなく違うんですよね。
 どこがどう?って言われると困るのですが、少なくとも学生の試合には、応援団に現役学生からOBの方まで家族連れでいらっしゃっていて、とてもアットホームな感じです。まるで同窓会かなにかのような雰囲気がある時もあります。

 試合は立命館大学が勝って、学生代表が2年連続で日本一になった(こちらも試合解説をどーぞ)のですが、最後のエール交換や大学の校歌を全員で歌うところなんて、ちょっと感動しました。
 私は学生時代に、校歌を歌ったことがあったかしらん?とか思って、かなり羨ましかったです。「もう一度大学に入っちゃおうかなー」とか言ってたくらいでした。(←かなり単純な動機)

勝った瞬間の立命館大。体全体でばんざーい!

◆初心者脱却の手応え

なげるのか?そのまま走るか?と予想もたのしい♪

 まるでロールプレイングゲームのようですが、いろんな人に聞いて(この辺が「周りの村人に話を聞く」というRPGの鉄則を守っている。。。)確実にレベルがあがっていると自信がもててきた私。

 最近はちょこっとですが、反則もわかるようになってきました。
 1月3日の試合で起こった「パスインターフェア」もなんとなくスグにわかりましたし、オフサイドは結構な確立で当たります。(「当てモノ」なのか?笑)
 そうなってくるとおもしろいもので「えー!?いまのは反則じゃないのー!」とか、いっちょまえに言ってみたりもします。(どうせ声援で聞こえないし、安心)

 さて前回のフムフムで、オフェンスの司令塔「クォーターバック」についてふれてみました。
 他にも重要なポジションはたくさんありますし、オフェンスだけではなく、ディフェンスもとっても奥が深いのですが、悲しいかな初心者は最初っから深いところをみてはいけません。全体がわからなくなります。

 そこで、クォーターバックにボールが渡り、そのボールの行方を見届ける「ボール確認率(前回名づけたボールの行方を確認できた比率のこと)」があがってきた人に、次へのステップとしておすすめなのが「時間について」です。

 アメフトでは時間はとても大事な役割を示しております。
 もちろんどんなスポーツにおいても大事なのですが、アメフトはこの時間コントロールを戦略に活かしている面が、他のスポーツにあまり例を見ないところなのです。
 ある意味で頭脳競技の「将棋」に似ているかもしれません。(将棋も時間をうまく使いますよね)

 サッカーなどではロスタイムがあって、最後に分単位で付け足しの時間(言い方が変ですが。。。)がありますよね。
 あれって、秒単位はどうなっちゃうんだろう?って思ったことはありませんかー?詳しくは知らないのですが、審判さんの判断で「追加何分!」って決めるので、確か秒単位は切り捨てになっていたりするんですよね。
 去年のワールドカップで日本が負けていた時など「その秒もほしいのにー!」って思ってた人もいたのではないでしょうか。

 アメフトでは、時間を秒単位できっちり計っているのでこういうことは起こりません。几帳面なA型(笑)としては、なんとなくすっきりします。しかも残り1秒でも逆転のチャンスがある場合も多いので、たった1秒とはいっても、とても長く貴重な時間になるのです。
 Xリーグや学生リーグでは、通常のリーグ戦は1クォーターを12分の4クォーター制で試合を行っております。これが決勝のボウルゲームなどでは、1クォーターが15分となって本場アメリカのゲームと同じになります。

 チームがタイムアウトをとるとこの試合時計が止まるのはもちろんですが、その他にも実に機能的に時計を止めて試合が行われています。この「時計が止まる仕組み」を理解できれば、さらに試合を見るのが楽しくなるはずです。

 前置きが長くなりましたが、そういうわけで時間についてちょっと覚えておきましょう。
 アメフトの試合で時計が止まるのは次の時です。

 ●チームタイムアウトやレフリータイムアウト
 ●反則が起こった時
 ●パスが失敗した時
 ●ボールがフィールドの外に出た時

   。。。などなどです。

 ここで注目なのは「パスプレー」の時ですね。
 前回のフムフムで、クォーターバックが行うオフェンスのプレーについて、大きく「パス」と「ラン」に別れると書きました。
 この時「パス失敗」では「時計が止まって」、「ラン」では「時計が動いたまま」ということがおもしろいところなんです。

 ちょっと想像してみてくださいネ。
 自分が勝っているチームだとします。いま勝ってるんだからこのまま早く終えた方がいいですよね。。。ということは「ランプレー」を多くした方がいいのかも〜?ってことになる訳です。
 もちろんこれは単純に考えた訳であって、いろんな要素があるので一概には言えませんが、考え方はこういう感じです。

 アメフトにおいて「時間」とはとても大事な要素だと言うことなんです。
 だから反則にも「ディレイ・オブ・ゲーム」というのがあって、25秒以内にオフェンスがプレーを始めないと「試合を故意に遅らせた」として5ヤードさがる罰があります。

 またチームタイムアウトでも時計が止まりますので、もう数秒しか残ってないという時には、これを使って立て直しを図ったりもします。
 ランプレーで捕まりそうになったら、時計を止めるためにフィールド外へワザと出るということもします。(「ランプレー」でもフィールド外に出たら時計が止まります)

 試合の残り時間と点差。両チームがどれだけタイムアウトを残しているのか?そんないろんなことを考えて、次のプレーを決めるのですね。
 しかも一致団結したプレーだけれど、一人一人が分担する個所はとても組織化されていますから驚きです。

 時計の止まる仕組みがわかるようになると自然とそこまでわかるようになるので、そうなったらしめたものです。なんとなーく見てても「ボール確認率」があがってくること、間違いなしです。




■今回のフムフムカエル〜番外編

学生チームに注目! フムフム度:
 本来ならXリーグでのことを書くのですが、今回は番外編で学生さんチームの中で見つけたフムフムを取り上げてみようと思います。

 アメフトはとっても激しいスポーツです。「将棋」が「頭脳格闘技」と言われるのとは、また違う意味でストレートに「格闘技」です。
 ものすごい勢いでぶつかったりするので、選手の方々は気をつけていても怪我をしてしまうことがあります。そうなるとチームのタイムアウトではなく、レフリータイムアウトと審判さんが判断して退場することになります。
 この時に自分で歩いて退場する場合もありますが、担架で運ばれてしまうこともあります。

 退場した選手は、すぐに医療担当の方々によって処置が行われますが、ここでXリーグとは違う光景を見かけました。

 学生チームで負傷者がでた時はどこからともなく人が集まり、毛布で壁が作られて選手はまったく見えなくなってしまいます。つまり即席の救急病院ですね。
 これは関西学生リーグでは当たり前の光景らしくって、誰がどこに怪我をしているのか対戦チームにわかりにくくするため、とも伺いました。考えたらこれもシーズンを通じたスッゴイ駆け引きですね。

 でも、Xリーグではあまり見なれない光景でした。NFLとかのプロリーグになると、どの選手がどこを怪我して何日間治療とか、試合中継でコメントもしてしまいます。
 学生の試合を初めて見る人にとっては「あれはなんなんだろう?」と、きっと不思議に思われたかもしれません。いろんなリーグにいろんなやり方があるのですね。ちょっとしたフムフムです。

 でも安心なことに、この「病院」に入るとすぐに元気になってまた前線に復帰できるのでした。

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病院完成図

病院解体図



■今回のフムフムはらごしらえ

 今回のはらごしらえは、東京ドームということもあって、なんだか気合が入っております。東京ドームには食べるものが多いのですね。
 名物のドーム型をしたお弁当や、定番の焼きそばなど様々です。 たこやき?ポテト?お弁当もからあげチキンライス弁当などなど…。ううーん。いろいろあって悩んでしまいます。

 ここで私はさんざん悩んだあげく、牛丼を食べることにしました。(なぜに牛丼…)

 観戦するだけなら、いろいろ入っているお弁当もいいのですが、あっちに行ったりこっちで聞いたりと、取材があるとどうしても早く食べられるものを求めてしまうんですよね。

 そういう訳で、丼ものならゴハンと一緒にイッキに食べられる、と思って決めたのでした。
 (ちょっとハシタナイかも…)

でもでもおいしそうでしょー

これが「BIG EGG もなか」だ!

 東京ドームには野球の観戦でよくきていたので、お気に入りがあります。それをちょっとご紹介。
 この「BIG EGG もなか」です。皮が東京ドームのカタチになっていて、中身はバニラのアイスになっています。

 どんなに忙しくてもデザートはきちんと食べる私。
 横浜スタジアムと違って外で雪が降っていても、室内ならアイスが食べられるので、冬でもオススメしちゃいます。
 (でも「みかん氷」もいつかかならず!)



Photo&Text by NAOKO SUZUKI