|
第1クオーター、相手陣内に攻め込むノジマ・杉原 |
|
|
第1クオーター6分、富士通・神山(中央)が相手ディフェンスを交わしタッチダウンを決める |
|
|
第1クオーター、パスを受け攻め込むノジマ・宮幸(左) |
|
|
第3クオーター4分、富士通・金(中央)がエンドラインに飛び込みタッチダウンを決める |
|
|
ファイナルステージ第2試合は、攻守で終始主導権を握り続けた富士通が38−3と圧勝し、2年ぶりのジャパンXボウルへの切符を手にした。
圧巻の勝利だった。序盤、今年春から導入したノーハドルオフェンスを展開しながら、相手ディフェンスの体制の整わないうちに次々とボールを前に進める富士通オフェンスは、まずQB吉田からWRブラッド・ブレナンへのタッチダウンパスをヒット。続くノジマ相模原の攻撃時に、DL平井基之がQB木下からファンブルを誘発しターンオーバーを奪うと、RB神山がランでエンドゾーンを陥れ、14—3で第1Qを終える。
第2Qこそ互いに無得点で終わったが、後半、再び富士通の強力オフェンスが火を噴く。第3Q最初の攻撃シリーズで富士通は、この日はとりわけ調子の良さそうだったRB金の快走で進撃。最後も金がランタッチダウンを決める。続く攻撃シリーズでは、QB出原からWR中村への52ヤードのロングパスで一気に距離を進めると、またも神山がエンドゾーンに走り込んで7点を追加。その後FGも成功させ、このQで計17点を追加。スコアを31−3とし、試合を決定付ける。
大きくリードし、あとは逃げ切るだけとなった富士通の攻撃は第4Qに入ってほとんどランのみとなるが、ノジマ相模原ディフェンスはこれを止められず、試合残り4分27秒、RB後藤のランタッチダウンを挙げ、試合終了となった。
この試合まで総得点255点と、鹿島に次いでリーグ2位の得点力を誇り、Eastディビジョンのラン獲得距離トップ10に4人も名を連ねる富士通のオフェンス力の力は掛け値通りだったと言っていい。とりわけ第1Qの、ノーハドル攻撃を使いながら、電光石火のごとく2つのタッチダウンを奪ったことで、ここまで接戦の多かったノジマ相模原の焦りを呼び込み、試合のモメンタムを握ることができたのは大きかった。攻撃の総獲得距離は415ヤードで、そのうちランによるものは257ヤードとグラウンドゲームで圧倒した形となった。
「ラインが頑張った。(ランニング)バックも良かった」。藤田HCは試合後そう述べたが、とりわけ攻守のラインの奮闘が光った。攻撃ラインがRB陣の走路を着実に開く一方で、守備ラインは相手QBとRBにプレッシャーをかけ続け、FGによる3点に抑え込んだ。両ラインの働きなくして、これだけの大勝はなかっただろう。
今季、一部に昇格して周囲の予想以上の奮闘を見せてきたノジマ相模原だが、昇格1年目にしてのジャパンXボウル進出はならなかった。試合開始直後の攻撃シリーズで愚直にラン攻撃を中心に敵陣25ヤードまでボールを進めながらフィールドゴールに終わってしまったのは、結果として痛かった。直後に富士通に逆転のタッチダウンを許したことで、相手を勢いに乗せてしまった。
「今季のウチは1試合130プレイあるとしたら負け越してると思うが、要所をモノにしてきた」。ノジマ相模原の須永HCは敗戦後そう語ったが、序盤の展開から相手に主導権を握られ、ファンブルによるターンオーバーを2度喫するなど、最後まで本来の力を発揮できなかった。
|