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解説記事
日本 VS 米国(ハワイ州選抜)
チーム名 1Q 2Q 3Q 4Q TOTAL
Team JAPAN 0 13 0 7 20
Team USA Hawaii 0 10 6 0 16

無敗のチームJAPAN、USA(ハワイ州選抜)に逆転勝利!
 2003年ドイツW杯での凱歌から2年。新たに結成された日本代表チームが、米国代表(ハワイ州選抜)を相手に20−16で逆転勝利。無敗のチームジャパンが帰ってきた。

 今回のJAPAN-USA BOWLは、2007年のW杯日本開催に向けて、決して負けるわけにはいかない戦い。次回大会では、参加が予想される「チームUSA」のレベルを日米双方が推し量る意味でも、重要なテストマッチであった。
 「勝ち続けなければ我々に次はない。今回の勝利は大きなステップ」(日本協会国際部・輿氏)と、ジャパンフットボールは歴史的な一歩を刻んだ。

 国際試合での対戦相手は、ベールに包まれている。はじめて見る選手、どのようなプレーをしてくるのかまったく判らない。準備のスポーツであるフットボールという競技にとって、対戦相手の情報が少ないというのは致命傷になりかねない。
 「想定して準備していたこと、それを落ちついてプレーに出せたことが勝因」と森ヘッドコーチは振り返る。W杯2連覇の経験に裏付けられた“知”の蓄積がジャパン戦士達を勝利に導いた。
DL宮原のFGブロック (C)Makoto SATO  立ち上がりは互いに相手の戦力を伺うかのような展開。QB冨澤(ON−SKY)のパスを中心に揺さぶりをかける日本代表に対し、米国代表は、大型QBカパヌイ(ハワイ大)、RBウェスト(ハワイ大)らのランを軸にライン戦での優位を奪おうと試みる。

 ゲームが動いたのは2Q早々、自陣31ヤードから米国代表のオフェンス。
 QBカパヌイ、RBウェストらのランプレーが進んでダウン更新。日本陣内46ヤード付近での4thダウンギャンブルをRBホワイト(NFLチーフス)のランで更新すると、QBカパヌイからWRシェルトン(ユタ大)への27ヤードTDパスで米国代表が先制する。
 しかし、日本代表も落ちついてオフェンスを展開。WR高橋(アサヒ飲料)のリバース、QB波木(NFLEセンチュリオンズ)のキープ、RB古谷(オービック)のランなどで3連続ダウン更新すると、最後はQB冨澤からWR板井(鹿島)へ14ヤードTDパスが決まって、7−7の同点とする。

 両軍の激しい攻防。次のキックオフリターンを米国代表のKRコミネ(ハワイ大)が快足でカバーチームを振り切って76ヤードのビッグリターン。これをKヴィラフロア(ロロヤ・メアリーマウント大)の27ヤードFGに繋げて、10−7と米国代表が再びリードを奪う。

 日本代表も負けていない。QB冨澤のパスが、WR東畠(鹿島)、TE八百板(鹿島)、RB石野らへと次々にヒット。ゴール前16ヤードとすると、WR清水(オービック)へのTDパスで、13−10と逆転(TFPキック失敗)に成功する。
 前半終了間際には、交代出場したQBサラノア(東ワシントン大)の連続パス成功で、FGトライに持ち込んだ米国代表のキックを、DL宮原(アサヒ飲料)がブロックで阻止。日本代表がリードを保ったまま前半を終える。
真骨頂のキャッチアップ、QB冨澤 (C)Makoto SATO  「4Qが鍵。個々のスキルをフルに活かして、ボールコントロールに徹する」と、今回のゲームプランを語る米国代表のオーヤマヘッドコーチ。

 米国代表の後半勝負は、QBサラノアのパスに、WRコミネ、シェルトン(ユタ大)、フェイギンス(海軍兵学校)ら走力のあるレシーバー陣を活かし、RBウェストの突破力を軸にオフェンス展開。主戦QB/LBカパヌイをディフェンスの主軸に備えた布陣が、おそらく今回のベストチームであろう。

 果たして3Qはそれが功を奏し、LBカパヌイがQBサックで日本代表のオフェンスを断つと、RBウェストが再逆転のTDランを駆け抜け、試合のモメンタムを掴みかけた。
 米国代表にとって不運だったのは、追加点の欲しい4QにQBサラノアがキープランで足を痛め、以降のオフェンスに精彩を欠いたことだろう。

 4Q、試合残り時間3分48秒。日本代表オフェンスの大黒柱QB冨澤が真骨頂を発揮する。
 長短合わせて6本のパスが成功。必死に食い止めようとする米国代表のディフェンスをかいくぐって、ゴール前25ヤードまで迫る。中でも圧巻だったのは、QB冨澤自身も「会心のパス」と自ら語った自陣39ヤード付近の4thダウンギャンブルからWR井本(ONーSKY)へ、鮮やかに決まった起死回生の11ヤードパスだ。
 このドライブをWR水口(オービック)への再々逆転TDパスへと結実させ、日本代表に勝利をもたらした。

 「タフなゲームは覚悟していた。自分たちのミス、メンタルエラーが流れを掴むに至らなかった」と米国代表・オーヤマヘッドコーチ。「日本チームのイメージはあったがスピードは想像以上だった」と日本代表を評価した。

 「負ければ挑戦権がなくなるゲームだった。勝利はしたがタックルの精度や、フィジカル面の向上など次への課題も見えた」と日本代表の主将WR板井。2007年に向けての道程はまだ始まったばかりだ。


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