X2リーグ時代にXリーグ昇格を賭けて、熱い戦いを繰り広げた東京海上ドルフィンズと学生援護会ロックブルの対戦は、トップリーグ先輩格の東京海上が相手のミスを巧みに利用して30−0のスコアで圧勝、今季初白星をマークした。
スコアほどの実力差は感じられない両チームだったが、4つのターンオーバーがすべて自陣で発生し、そのうち2つをTDに結びつけられた学生援護会と、2回のターンオーバーをいずれもディフェンスの奮起でしのいだ東京海上の差が得点結果に現れた。
ロックブルのポントヘッドコーチは「実力はイーブン。しかし、我々のオフェンスが前半だけで2回のターンオーバーを喫するなど、リズムに乗り切れなかった。」と自滅の展開を悔やんだ。
一方のドルフィンズの大村ヘッドコーチも「ディフェンスがターンオーバーをとってくれてオフェン
スのミスを相殺してくれた。今日はディフェンスの勝利。」と、ミスが勝敗を分けたことを認めた。
前夜からの雨も試合前にはあがり、グラウンドコンディションがやや改善された中で、東京海上はランニングアタックで試合をコントロールした。
RB横倉はサイズを生かしたパワフルなラッシュで111ヤード、2TDをあげる活躍。先発の高橋と交代出場の新人QB木目田(法政大)も、オプションキープで最長25ヤードランを見せるなど、オフェンスにインパクトを与えた。
ただし、15回投げてわずか4回の成功に終わったパス攻撃は、依然課題として残ったままだ。大村コーチは「まだまだ(プレーオフの)可能性は残っているので頑張りたい」と話したが、そのためにはパス攻撃の改善は不可欠だ。
第1Q残り2分9秒に、QB高橋からWR田中への30ヤードTDパスで先制した東京海上は、直後の学生援護会オフェンスシリーズの第1プレーで、QB吉田のパスをインターセプト、反撃の芽を摘んでしまう。
このポゼッションは、逆にゴール前1ヤードでインターセプトされて終了するが、第2Q半ばに、DL鈴木がQB吉田をサックしてファンブルフォース(DL三谷がリカバー)。これで得たオフェンスシリーズをRB奈良の3ヤードTDランに結びつけて、前半を14−0で折り返した。
ラン攻撃を中心に早い段階で反撃を開始したい学生援護会だが、OLのブロックミスや東京海上LB陣の速い動きの前に、なかなか活路を見出せない。
3rdダウンで長い距離を残してしまう展開に追い込まれ、パス攻撃にあまり期待できないオフェンスでは手詰まりになってしまうのは仕方がなかった。
逆に東京海上は、『相手のランをまず止める』というゲームプランがまんまと的中。試合の主導権を渡すことはなかった。
後半に入って学生援護会の最初のシリーズはパントとなったが、これをDB九乗がブロック。そのままP白鳥が、エンドゾーン内でタックルされてセーフティーとなり2点を献上してしまう。
その直後のシリーズでドルフィンズは、RB横倉の2ヤードTDランで23−0と突き放し、試合を決めてしまった。
次節東京海上は日産プリンス東京と、学生援護会は鹿島とそれぞれ西武ドームで対戦する。
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