開幕以来3連勝でファイナル6進出に王手をかけたリクルートシーガルズと、初戦で日産プリンス東京に白星を挙げて以来2連敗中の東京三菱銀行センチュリアンズが、10月22日西武ドームで対戦した。
試合は、終始地力に勝るリクルートが圧倒、東京三菱銀行の攻撃を1TDに押さえ44−7で圧勝、最終節の鹿島戦を残し、4戦全勝でファイナル6進出を決めた。
開始直後からリクルートがフィールドを完全に制圧する。前半の両チームの出来は、実に対照的であった。
東京三菱銀行は2試合ぶりにQB北沢が先発したものの、LB世利、遠藤らを中心としたリクルートのスピード溢れるディフェンスの前に翻弄され、得点はおろかファーストダウンもとれない状況。
第2Q開始直後には、自陣のゴールを背負った状況でのパントでスナップミス。これをリクルートLB中村に押さえられ、TDを献上してしまうという屈辱的な場面も見られた。
一方のリクルートは、キックオフ直後の東京三菱銀行のオフェンスを、あっさり3回でパントに追いこむと、返しの敵陣37ヤードからのオフェンスを先発QB松本が冷静にリード。最後はSB安東へ19ヤードのTDパスを決め、先制する。
その後も、WR脇田、RB古谷らが次々にTDを奪い取るなど、攻守に渡って圧倒的な力の差を見せつけたリクルートが31−0として前半を折り返した。
後半に入ると、リクルートの集中力にムラがでてくる。
後半開始直後、ホールディングでWR堀江のキックオフリターンTDをフイにしたのを皮切りに、後半だけで8回93ヤードもの反則を次々と重ねてしまう。
第3Q残り2分を切ったところで、東京三菱銀行に今季初めて奪われたTDのシリーズでも、反則で3回34ヤードを失っている。
オフェンスも、第2Q途中からオフェンスを指揮していたQB高橋と交代出場した3人目のQB井上が、第3Qから第4Qにかけて自陣44ヤードからのシリーズをTDに結びつけたほかは、前半のような勢いが見られず結局そのあともFG2本を奪うに止まった。
一方の東京三菱銀行は、後半に入って落ち着きを取り戻したQB北沢のパスが通り始める。しかし、そのQB北沢が第3Q中盤、敵陣6ヤードまでボールを進めたところで、再び負傷退場。
そのシリーズこそ、QB前川からTE仁尾へのパスでTDを奪ったものの、その後はリクルートの“高速ディフェンス”の前に何も出来ず、終わってみればトータルで62ヤードの獲得距離と完全に封じ込まれた格好となった。
44−7の快勝で、ファイナル6進出を決めたリクルート大橋ヘッドは「怪我人が少ないのがチームにとって良かった」とここまでの4戦を振り返った。
また、最終節に残っている最大のライバル鹿島との戦いに向けて「(リクルートが)自分たちのペースを崩すようなミスをしないことを前提にして、やっと同じ土俵に上れるといった相手。気持ちが空回りしないようにしたい」と抱負を語った。
一方の東京三菱銀行はこれで1勝3敗。最終節で東京海上に敗れると、入替戦出場が決定してしまうところまで追いこまれた。
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