台風接近により、強風や小雨の混じりの大井第二球技場。XリーグEASTの富士通フロンティアーズ対レナウンローバースの一戦は、攻・守・蹴、いずれも優位に進めながらも、自慢の攻撃に決め手を欠いた富士通が、レナウンに7―0で辛勝した。
富士通QB中澤(近畿大)、レナウン八木(同志社)と、かつて関西学生リーグを湧かせた屈指のパッサー対決とあって、華麗なパスの競演が予想されたが、期待に反してオフェンスによる得点は無く、予想外なロースコアリングゲームとなった。
しかも、中澤は第2Q中盤にオプションキープで膝を負傷。そのまま退場するなど、プレーオフ進出を狙う富士通にとって厳しい開幕戦となった。
前半富士通は、RB森本のゾーンプレイ、SB高橋へのショートパスで小気味良い攻撃を展開するものの、要所でミスが目立ち、先制点を挙げられない。
スピード派RB飯島を投入して第2Qに迎えたチャンスも、FGを失敗しリズムを掴めない。
一方、レナウンは強力DL陣を誇る富士通ディフェンスに対して、主将RB池田によるパワープレーで真っ向から立ちむかうが、前半4つのシリーズ中、ダウン更新1回と全くなす術がない展開で、結局、0−0で前半を折り返す。
試合が動いたのは後半開始早々。富士通はレナウンの攻撃を3回でパントに追いやると、リターナーに入ったSB高橋が左サイドにリターンスペースがないと見るや、右サイドへ大きく回りこみ、一人、二人と華麗なステップでタックルをかわし独走。最後のディフェンダーもスピードで振ると、60ヤードのパントリターンTD。
前半の停滞ムードを一掃するビッグプレーで、富士通がようやく待望の先取点を挙げる。
さらに富士通は、中澤の負傷退場により急遽出場した2年目の木之下のパスで活路を見出そうとするが、レナウンCB林にインターセプトを奪われたり、フェイクFGも失敗するなど、相変わらずエンドゾーンは遠い。
第4Qに入ると、富士通はRB飯島へのスイングパスからのロングゲインで一気にレナウン陣奥深く攻め込むが、今度はRB森本が痛恨のファンブル。またしても好機を逃す。
一方、後半に入ってもLB時本を中心とする富士通ディフェンス陣の踏ん張りに、攻撃の糸口を掴めなかったレナウンだが、ファンブルリカバーで得たチャンスに怒涛のドライブを見せる。
RB池田、田中の力強い中央突破、WR柳川、富増へのショートパスを軸に、約6分間をかけ4回のダウン更新で富士通陣19ヤードまで攻め込む。
しかし、4thダウンギャンブルから狙ったパスは、LB時本のインターセプトで万事休す。
何としてもオフェンスで得点を挙げたい富士通のラストドライブも、レナウン陣9ヤードまで攻め込むものの、結局得点には至らずタイムアップ。
富士通にとっては、10月4日オンワード戦に向けて不安の残る結果となった。
レナウンは、324ヤードを奪われるものの、富士通オフェンスを0点に抑える等、ディフェンス陣
が大健闘。2戦目以降に期待の持てる開幕戦となった。
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