過去2試合で、いい試合を展開しながらも勝ち星に恵まれていなかったすかいらーくスカイラークスが、これまでのうっぷんを晴らすような攻守にバランスのとれた試合展開で、クラブダイノス@BΛNKを一蹴、うれしい今季初勝利をあげた。
一方のダイノスは、前節でレナウンに競り勝った勢いを、今節に持ち込むことができず1勝2敗となった。
ときおり雷鳴のとどろく激しい雨の中。すかいらーくは3戦目にしてオフェンスが持ち前のポテンシャルを発揮した。
雨天のためパスこそなりを潜めたが、RB加畑が210ヤードで2TDをあげる活躍、またQB小島(崇)、山田もそれぞれ98、95ヤードラッシングを記録。チーム全体でのラン獲得距離は、488ヤード。地上戦を完全に制し、脅威的なボールコントロールを実現した。
好調のオフェンスの影に隠れがちだが、最後の40秒まで完封ペースだったディフェンスも評価したい。中川と伊藤のDLコンビは強力で、クラブダイノスのラン攻撃をよく止めた。
最も光る活躍をしたのがLB青木だ。圧巻だったのは第3Qのクラブダイノスのオフェンスシリーズ。ILBの位置から激しいラッシュでオフェンスの領域へ侵入すると、RB海道をタックルして4ヤードロスさせる。その次のプレーでもロスタックルを記録して、3rdダウン16ヤードという状況に追い込むことに成功した。
「(2回のロスタックルは)サインプレーです。まず中央のランを止めることがゲームプランでした。ひとつひとつの役割をすることでダイノスのオプションを止めたかった」と青木。この3rdダウンロングと追い込まれたクラブダイノスのQB森田がプレーを焦ってファンブル、これをFS和地がリカバーし、14ヤードリターンしてTDを奪った。青木の連続ロスタックルが得点の大きな布石となった場面だ。
前半で6回のオフェンス機会を得たすかいらーくは、そのうちの3回をTDに結びつけるという快調ぶり。その間ディフェンスは1回を除いて、クラブダイノスオフェンスを“1−2−3−アウト(3回の攻撃でパントに追い込むこと)”に封じ込めるという、絶妙なコンビネーションを見せた。
前半を21−0で折り返したすかいらーくは、第3Qに入って上記のファンブルリターンTDやRB小島(康)の1ヤードTDランなどで、次々と加点、試合を一方的に進めた。
クラブダイノスは最後にRB内田が44ヤードのTDランを決めて意地を見せるのがやっとだった。
すかいらーくの矢口ヘッドコーチは試合後のインタビューで開口一番「やっと勝てた」と苦笑い。初勝利への産みの苦しみをにじませた。次節はオンワードを破って意気あがる富士通が対戦相手。
「うちも今年はレベルアップしているから(大敗した)昨年のようにはならないだろう。2週間
あるのでこれからじっくり準備したい」と締めくくった。
2敗となってあとがないクラブダイノスはオンワードと対戦。この試合の反省点をはっきりさせて、強豪とのゲームに臨みたい。
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