西武ドームでの第2ゲームは2勝1敗でファイナル6出場を目指しているオンワードオークスと、1勝2敗と苦しい戦いが続くクラブダイノス@BΛNKとの1戦。
この試合は両者の勢いの差が如実に現れた展開となった。
キックオフを自陣29ヤードまで戻したクラブダイノスは、ファーストプレーでQB大塚がTE太田にパスを決め、ファーストダウンを獲得。その後も自らのキープでゲインを重ね、オンワード陣24ヤードまで攻め込んだ。
クラブダイノスにとって絶好の先制チャンス。しかしここからオンワードディフェンスが踏ん張りを見せた。LB石橋がオープンプレーに反応よく飛び込んで4ヤードロスさせると4thダウンギャンブルでは、DT渡辺(太)がQB大塚をサックして見事にピンチを凌ぎきった。
ディフェンスの奮闘にオフェンスもすぐに応える。
3rdダウンをQB冨澤からWR河本へのパスで乗り切ると、続くプレーでRB杉澤のオープンを警戒する裏をかいてRB真柄が中央突破。真柄はスピードでディフェンスを振り切って52ヤードの先制TDをマークした(TFP失敗)。
これで勢いにのったオンワードは、クラブダイノスのオフェンスを簡単に止めてパントに追い込む。PR神の好リターンもあり、自陣41ヤードから攻撃を得ると、今度はエースRB杉澤のロングランが飛び出してTD。13−0とリードを広げた。
2Qに入ってもオンワードの勢いは止まらない。
ランとパスを上手く織り交ぜたドライブでボールを進め、ゴール前に迫ると、最後はRB渡辺(卓)の好ブロックの後ろを、RB杉澤が走りこの日2本目のTD(2点コンバージョン成功)。
続くオフェンスシリーズでも、QB冨澤のパスを受けたWR斉藤がタックルを振り切ってエンドゾーンに走り込みTD。28−0と大きくリードして前半を終了した。
後半に入って、なんとか反撃に転じたいクラブダイノスだったが、最初のシリーズでオンワードRB真柄にこの日2本目のTDを奪われて点差を広げられてしまう。
クラブダイノスに得点のチャンスが到来したのは3Q中盤。オンワードのパントをPR宮崎が84ヤードのビックリターン。ゴール前2ヤードで押し出されて、惜しくもTDには至らなかったが、オフェンスに大きなチャンスをプレゼントした。
しかし、このピンチにオンワードディフェンスが奮起。TDどころか逆にロスを奪ってクラブダイノスに得点を許さない。
結局、オンワードがその後も2TDを奪い、49−0の大差をつけて快勝。11月7日にファイナル6出場をかけてシルバースターと戦うことになった。
「今日はディフェンスがよかった。富士通に負けたことであとがないという危機感が生まれた。それがチームにいい影響をもたらしている。シルバースターは去年のチャンピオンなだけに強いことはわかっている。しかし自分たちのフットボールを信じて無心で臨みたい」とオンワードの野田監督は試合後に語り、チーム状況が上向きかけている手応えを感じているようだった。
「今日はバックスへのパスが雑だったので細かい部分の完成度は低いです。今年はスクランブルしないでポケットに留まり、タイミングパスを決めることが課題なのですが、今日も我慢できるところでスクランブルしてしまった」。エースQB冨澤のコメントは大勝にもかかわらず、殊勝だった。
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