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解説記事
関西学院大学 VS 法政大学
チーム名 1Q 2Q 3Q 4Q TOTAL
関西学院大学ファイターズ 7 0 14 0 21
法政大学トマホークス 7 7 0 14 28

法政大が8年越しのリベンジ!悲願の単独優勝を果たす!
 大会史上でも3回目といわれる雨の甲子園。奇しくも92年に自慢の“法政オプション”をひっさげて20年ぶりに甲子園へやってきた法政が、QB金岡率いる京大の前に無念の涙をのんだのも冷たい雨の日だった。

 2年連続42回目の出場の関西学院大学ファイターズと7年連続9回目の出場となる法政大学トマホークスの激突となった第55回甲子園ボウルは、大方の予想を覆し、法政大がついに悲願の単独優勝(97年は同点で両校優勝)を果たし、実に8年がかりでリベンジロードの終着点にたどり着いた。

 朝から降りしきる雨。滑りやすい天然芝のグラウンド。『試合巧者』関学の精密機械のようなオフェンスに微妙なズレが生じる。逆に「リーグ戦は雨の方が多かった」(大森監督)法政に天も味方した格好だ。

 試合開始早々の関学2プレー目。QB岡村からのパスをWR山本がファンブル。これを法政LB志賀が確保し、ゴール前14ヤードといきなりのチャンスを得る。
 このチャンスにRB薄衣、白木らのランでゴール前1ヤードと迫り、最後はRB小高が力強いパワープレーで関学ディフェンスを引き裂きTD。先制に成功する。

 近年でも最高クラスのオフェンス力を擁する関学も反撃開始。自陣27ヤードからのオフェンスをRB三井、大谷、生島、杉原らのランで、ドライブを重ねゴール前へ。エースRB三井が飛び込んで同点に戻す。

 しかし「この日のために全てを準備してきました」(QB井川)という法政が自陣41ヤードからのドロープレー一閃、RB薄衣が59ヤード独走TD。14−7と再びリードを奪う。

 この日の関学は何かに取り憑かれたようにミスを連発する。
 QB岡村が不用意なパスでインターセプトを喫したり、P榊原はパントスナップのボールをファンブルしたり、RB三井もタックルを受けてもいないのに自らファンブルロスト。WR山本も真正面に来たTDパスを落球。前半最後のドライブでもK山路が35ヤードFGを外すなどミスの連発。獲得ヤードで遥かに上回りながらも、7点のビハイドを背負ったまま後半へと突入する。

 第3Qの関学。KR大谷の好リターンで始まった自陣49ヤードからのオフェンスを、ランアタックだけの8プレーでTD。14−14と再び同点に戻す。
 さらに自陣15ヤードからのオフェンスは、ミドルパスを交えた12プレーでじっくりと攻め、最後はRB大谷がねじ込んでTD。21−14と逆転に成功。この試合で初めて関学が主導権を握る。
 雨の外野席に詰めかけた2万人を超える関学ファンの誰もがこのあとは関学のペースになるものと思っていた。

 「甲子園で勝つために」。このことに全てを結集した今年の法政は何かが違う。従来のオプション一辺倒のオフェンスに見切りをつけ、様々なフォーメーションから多彩なプレーコールを繰り出す。

 第4Q開始早々、自陣33ヤードからのオフェンスシリーズ。QB井川からWR大野のパス成功で関学DB陣の迷いを誘うと、RB薄衣、小高らのランで一気にゴール前に。RB薄衣が2ヤードTDランを決め、21−21の同点とする。

 さらに続く関学のオフェンスを4回で終わらせ、敵陣37ヤードからのファーストプレーで法政QB井川からWR山岸へパスが投じられる。
 このパスをキャッチし、エンドゾーンに向かって走り出そうとするWR山岸にDB福田がハードヒット、ファンブルを誘う。エンドゾーンを点々と転がるボールに両チームの選手が群がる。

 一時は関学DB河合が確保したかに見えたが、運命のボールはさらにこぼれ落ち、最後は法政WR大野が、エンドゾーン内でこれを確保。結局このプレーが決勝TDとなり、関学の連覇の夢を断ち切った。

 ラン、パスの獲得ヤード、ボール所有時間、ファーストダウン数、全てのチームスタッツで法政を上回りながらの敗戦となった関学は、法政の甲子園に賭ける執念の前に屈した。



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