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解説記事
マイカル VS 井内盛栄堂
チーム名 1Q 2Q 3Q 4Q TOTAL
マイカルベアーズ 0 10 7 0 17
井内盛栄堂ブラックイーグルス 0 3 0 7 10

K山口豊の58ヤード日本タイ記録キック。マイカル初戦突破!
 すごいことが起こった。やってのけたのはマイカルのK山口豊だ。前半終了まで7秒という切羽詰まった状況で、ボールオン41ヤード、ゴールラインからは48ヤードの距離にセットされたボールが、幅5.64ヤードのゴールポストの間をくぐり抜け、日本タイ記録となる58ヤードのFG成功となったのだ。
 「これを成功させたら自己ベストが出るかな」と軽い気持ちの一蹴りが、長居球技場全体を揺るがせた。
 過去に、オンワードのK川上が相模原野球場で出した58ヤード(1988年11月6日 オンワードVS三和銀行 2Q11分59秒)の日本記録と並ぶ距離。しかし当時より狭くなったゴールポスト(当時は7.14ヤード)、しかも今季からキッキングティーが廃止となった中での記録だけに、これは快挙と云えよう。

 試合の立ち上がり、いきなりマイカルがゴール前10ヤードまで攻め込んだ。しかし、ここから反則で罰退したり、パスをカットされたりと散々。4thダウンで普段の山口なら簡単に決められるはずの35ヤードのFGを、センターのスナップミスで蹴ることが出来ず、3点すら奪うことができない。
 一方の井内盛栄堂は、自陣からの攻撃でRB山本拓也が中央をすり抜け40ヤードのビッグラン。ゴール前18ヤードからはQB杉谷からTE朴へのパスでゴール前3ヤードと迫ったが、その後中央のランをことごとく止められ、最後は21ヤードのFGをK朴が成功させ3点を先制した。

 その直後のシリーズで、ようやくマイカルが本来の力を取り戻す。自陣33ヤードからQB夏目から新人WR川崎(専修大)への22ヤードのパスで敵陣へ。そこからも相手反則にも助けられ、ゴール前7ヤードまで迫り、最後はRB徳重が快足を跳ばしてTD。7−3と逆転した。

 そして前半終了間際に出たのがK山口の日本タイ記録キックだ。肥田代表も「あの一蹴りでリズムを作ってくれた」というように値千金のビッグプレーだった。

 後半も井内盛栄堂は相手のミスから得た敵陣42ヤードからの攻撃で、杉谷からWR国塩へのパスを2度成功させ、ゴール前6ヤードまで迫った。しかし、ここからの攻撃を手こずりギャンブルにも失敗。無得点に終わった。
 その直後、マイカルは夏目からWR竹田への90ヤードのパスでTD。17−3とリードを広げる。
 井内盛栄堂がようやくTDを奪えたのは試合終了間際の第4Q10分30秒だ。自陣18ヤードから杉谷のスクランブルランと国塩へのパスで攻め込み、WR竹田が31ヤードのパスを受けTD。しかし、追い上げもここまでで、17−10とマイカルがクラブチームとしてリーグ初陣を白星で飾った。

 肥田代表は「内容は別にして勝てばよいと選手には言ってきましたので、良かったです。ただ、今のままではまともな試合はできませんので、今日の試合で気付いた課題をしっかりと克服して次に臨みたいと思います」ととりあえずは勝利にホッとした様子。
 K山口は「なかなかセンターとホルダーとの練習ができないので大変です。ただ58ヤードという距離はプレッシャーのない練習で成功していましたんで、なんとか届くとは思っていました」とこちらはたんたんと話す。

 一方、井内盛栄堂の義政監督は「ゴール前からの攻撃でTDを取れないのが、今のうちの実力です。もう一皮めくれないと勝てませんね」とかなり悔しそうだった。



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