王者・アサヒ飲料との戦いを、何とか全勝で迎えたい松下電工インパルスとマイカルベアーズが、その挑戦権を賭けて対戦した。
今シーズンはディフェンスの強さが目立つ両チームの戦いとあって、立ち上がりは膠着状態が続いた。
松下電工は、ディフェンスが先制点を奪う。
マイカル3シリーズ目のオフェンスが、4thダウンパントとなった場面。ここで、パンター山口(豊)の蹴ったボールをブロック、転がったそのボールをラッシュしていた松下電工のLB霊山が拾い上げ、そのまま18ヤードを走りTDを奪った。
「ビデオで分析していたので、パントを絶対ブロックできるとチームの誰もが思っていました」と霊山が言うとおり、狙い済ました一発だった。
松下電工のオフェンス陣もようやく目覚める。自陣17ヤードからのオフェンスでRB小林、樫野が走る。しかも攻撃権を放棄するためのパントも、マイカルの選手がラフィンザキッカーの反則を犯し、再び攻撃権を得る。
ここからはRB安藤、小林のラン、QB高橋(公)からWR塚崎への2度のパスでゴール前20ヤードまで迫る。TDには至らなかったものの、K太田が42ヤードのFGをきっちり決め、10−0とリードを広げた。
後半に入って松下電工の2シリーズ目、QBを新人の高橋(幸)にスイッチ。
自陣11ヤードからRB小林が51ヤードのランを見せ、一気に敵陣へ。そして高橋(幸)のスクランブルや、調子を取り戻したRB樫野が力強く走り、ゴール前13ヤードまで迫った。
ここからは反則やQBサックなどで後ろに下がってしまったが、最後は太田が39ヤードのFGを決め、13−0とした。
さらに松下電工。パントリターナー塚崎のナイスリターンで敵陣38ヤードからと再びチャンスを手にする。
ここからRB樫野がタックルをふっとばし、相手を引きずりながら31ヤードを走る。そしてこの復活を告げるランにTDで応えたのは、ここまでの2試合を支えてきたRB安藤だ。中央を2ヤード走り20−0。試合を決めるTDとなった。
松下電工は第4Q4分18秒にも、高橋(幸)からピッチを受けたRB安藤が、WR古本へTDパスを投げるスペシャルプレーを見せるなど、結局27点を奪って圧勝した。
松下電工の村上監督は「まずは守備がよく頑張ってくれました。そしてキッキングで練習してきたことが、試合でも実践できたことも大きいと思います。あとは攻撃だけです。何とか地に足をつけて、ミスを無くし勝負ができる状態にもっていけるよう頑張ります」とようやく形になってきたチームにまずは一安心といったところ。
一方、いいところが全くなかったマイカルの肥田代表は「練習量が昨年と比べて減っているので、やはり攻撃にはかなり影響が出ているかも知れません。打つ手が後手後手になったのも敗因でしょうね」と、淡々と話していた。
|