2年連続のファイナル6進出を目指す富士通フロンティアーズと、Xリーグ初挑戦で不安と期待が入り混じるクラブハスキーズが東京ドームで対戦した。
注目された富士通の先発QBは、昨シーズンを負傷で棒にふったQB中澤。
そのQB中澤が試合開始早々にいきなり見せてくれる。ハスキーズのオフェンスを1回のダウン更新に押さえたあと。今季の富士通、そしてQB中澤復帰のファーストシリーズ。
自陣34ヤードから「ハドルの緊張を解くために」(QB中澤)放った特大のロングパスをWR佐藤がもぎとり、そのまま持ちこんでTD。
QB中澤は前半の2ミニッツオフェンスでもショットガンからパスを5本通してTDを奪い、昨年来の負傷から完全に復活したことをアピールした。
このQB中澤の「復活TD」で勢いに乗った富士通は、昨年のリーディングラッシャーのRB森本やRB飯嶋が、完成度の高いゾーンブロックを武器に縦横無尽にフィールドを駆け回り、前半だけで35点を奪う猛攻をみせ勝負を決定づけた。
一方のハスキーズは、第1Qに相手のパントミスから生じたチャンスをFGに結び付け3点を奪うものの、それ以降はLB岡村を中心とした富士通ディフェンス陣のスピード&パワーに圧倒され、思うようなプレーが出来ない様子。
第2Qに入ると先発QB田からWR前田に55ヤードのロングパスが決まり、敵陣12ヤードからファーストダウンという絶好のチャンスを得る。
しかしここで、そのWR前田が痛恨のファンブル。追撃のチャンスをフイにしてしまう。
後半に入り、何とかQB田、QB岩間がそれぞれパスで1TDずつを返したものの、とき既に遅し。結局41−16で富士通が初戦を飾った。快勝はしたものの、富士通は後半スローダウンし、1TDしか追加できなかったことが気にかかる。
特に後半交代出場したQB木之下やQB青木の調子が今一つ。またフィールドゴール失敗や、パントでのミスキックなど、キッキングゲームでのミスが目立った。
実に1年ぶりの試合出場となったのQB中澤は「ずっと(復帰に向け)準備をしてきたので、不安は特になかった」とし、次節・強豪鹿島との一戦についても「ウチがもう一段上を目指すには勝たなければならないと思う。一度も勝ったことがないので是非勝ちたい」と力強く語った。
一方のハスキーズの清水監督は「ディフェンスはスピードで振りまわされた。その上、手先だけではタックルをミスするのは当たり前。ファンダメンタルの差を痛感した。オフェンスはショート・ミドルのパスが思いのほか通りそこそこの出来だったと思う」と語り、次戦以降の手応えを掴んだ様子だった。
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