全勝でリーグ優勝とFINAL6を既に決めている鹿島ディアーズが、今季2勝を獲得し意気上がる学生援護会ROCBULLと秋晴れの横浜スタジアムで対戦した。
試合は地力に勝る鹿島が、終始学生援護会を圧倒。37−10で今季5勝目を挙げ、リーグ戦を全勝で終え2年ぶりのFINAL6進出に花を添えた。
先制したのは学生援護会の方だった。試合開始直後、パントブロックから招いたピンチをディフェンスの集中力で凌いだ学生援護会は、自陣3ヤードのオフェンスを先発QB吉田のパスやRB片岡のスピードのある走りで敵陣21ヤードまでボールを進める。
ここで鹿島が誇る強力ディフェンスの粘りにあうが、最後はK小山が35ヤードFGを決め、3−0と学生援護会が先制に成功する。
しかし、このドライブを最後に学生援護会オフェンスは、追加点はおろか自陣を抜け出すことすら出来なくなっていく。学生援護会のドライブらしいドライブは、試合終了間際になるまで待たなくてはならなかった。
逆に鹿島は第2Qに入ってから、学生援護会のキッキングでのミスも重なり、怒涛のごとく得点を重ねていく。
第2Qに入った直後に、今季好調のQB鈴木がTE八百板に10ヤードのTDパスを決めてあっさり逆転に成功すると、今度はディフェンスが学生援護会のパントでのスナップミスを見逃さずにセーフティを奪取。
その後も、インターセプトから掴んだチャンスにパスを受けたRB堀口が走りこんで、LB比留間がパントをブロックして作ったチャンスをWR植村がQB鈴木からパスを受けて、それぞれTD。瞬く間に23−3として、前半でほぼ勝負を決してしまった。
後半に入ってからも、鹿島はRB池場がドローからの73ヤードTDラン、再び学生援護会のパントミスから掴んだチャンスで、WR植村へのTDパスで2TDを追加。
第4Qに入ってQBを鈴木から若手のQB岩野にチェンジするとさすがにリズムが狂い、追加得点を奪えずに終わったが、鹿島の爆発力を十二分に見せつけられた時間帯だった。
一方の学生援護会は、第2Qに途中からQBを吉田から増田にチェンジするなど、流れを変ようとする意図は見えたが、単発でのゲインはするもののドライブには繋げることが出来ない。
第4Q、“2ミニッツ”に入り、自陣46ヤードからのオフェンスをなんとか7プレーでTDに繋げたものの、時すでに遅し。37−10で鹿島が学生援護会を下した。
試合後、鹿島・森ヘッドコーチは「(試合に出てない)怪我人がいて、内容的にはもう一つだったが、今の時点ではベストのゲームだった。ミスは確かに多かったが、オフェンスが苦しい時にキックやディフェンスがチャンスを作ってくれた」と満足げに語った。鹿島はこれで全勝でのFINAL6進出が決定。
11月6日(水)に行われるCENTRALのゲーム(リクルートvsシルバースター)で、どちらかが大勝しない限りは、シード権も獲得することになる。
ただし、最終戦のこの試合はFGを2回失敗、QB鈴木も2インターセプトを食らう、あるいは要所で反則を犯すなど、ゲームに対して集中できていない様子だったのは今後の課題として残った。
一方の学生援護会は2勝3敗でリーグ戦を終え、4位が確定。Xリーグ2年目にしてその手応えを掴んだシーズンだったが、この試合では再三のパントブロックやインターセプトなど、自滅気味のプレーが目立ちなんとも後味の悪いラストゲームとなった。
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