「ベアーズに入った頃から想いはずっと同じ。フットボールはフィールドで表現することが全て」(QB夏目)。チームの窮地にベテラン勢が立ち上がり、チームを勝利に導いた。
秋晴れの西宮スタジアム。XリーグWEST第2節の皮切りは、サポート企業の事情で急遽チーム名を変更してのリーグ参戦となったクラブベアーズと、イワタニサイドワインダーズが対戦した。
なんとしても白星が欲しいイワタニ。立ち上がりの奇襲攻撃は、オプションQB松本からWR渡壁へいきなりのロングパス。続いて4thダウンギャンブルを試みるなど、勝利への執念が垣間見える。
先制したのはイワタニ。次のベアーズオフェンスでQB奥のパスを、DB上平がインターセプトして攻撃権を奪う。自陣43ヤードからのシリーズを、RB川田、木下、三谷らのランでゴール前20ヤード付近まで進めると、K豊野のFGを成功させ、3−0と先制に成功する。
期待を集めるベアーズの新人QB奥だが、自らの不調と、イワタニディフェンス陣の激しいプレッシャーでプレーが進まない。
イワタニは1Q終了間際に、QB松本からWR渡壁へ目の覚めるような52ヤードのロングパスが成功。追加点のチャンス。しかし、再三エンドゾーンに迫るもののTDに至らず、25ヤードのFGトライも失敗。得点には至らない。
2Q開始早々。「いつでも準備は出来てますから」と不調のQB奥に代わってベテランQB夏目が登場。自陣20ヤードからのシリーズをRB波武名のドロープレーを皮切りに、同じくベテランのRB山口(敏)、京楽らを操り、かつてのベアーズらしい連続グランドアタックで陣地を進め、最後はRB辻野がエンドゾーンに飛び込んでTD。TFPは失敗したものの6−3と逆転に成功する。
前半終了間際には、イワタニもQBを大橋にスイッチ。連続パスアタックでゴール前25ヤード付近まで進攻するものの、またしてもFGトライを失敗。そのままの得点で折り返した。
「今年でもう終わりといつも思いながら、続けられる限りはチームに貢献したい」と語るQB夏目。後半開始最初のシリーズをRB山口(敏)と共にフィールドを駆けめぐる。自陣26ヤードから始まったオフェンスを、所要時間4分34秒、12プレー目のTDで完遂させた。
イワタニも負けるわけにはいかない。KR川田の41ヤードリターンをきっかけに反撃開始。QB松本のオプションオフェンスを軸に、ゴール前17ヤードまで進むもののエンドゾーンに届かず、FGトライも失敗に終わる。
第4Qには、帰ってきたアスリートQBの辻が登場。最初のプレーでWR前波に30ヤードの豪快なパスをヒットさせると、RB杉山のダメ押しTDにつないでゲームにケリをつけた。
結局、先輩QB達の相次ぐTD劇に支えられ、終了間際に再び登場したQB奥も、ようやくTDパスを決めて25−3。ベアーズが2連勝を果たした。
「(ベテラン勢は)いつもチームのいいモチベーションを創ってくれます」と笑顔の肥田代表。今後のチーム運営に関する質問が記者団から相次いだが「Xリーグ加盟チームとして、いいゲームをやっていくことが僕らの責任。来年のことはシーズンが終わってからでいいです」と、力強く結んだ。
|