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解説記事
アサヒ飲料 VS ベアーズ
チーム名 1Q 2Q 3Q 4Q TOTAL
アサヒ飲料チャレンジャーズ 0 0 0 0 0
クラブベアーズ 3 0 7 0 10

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ベアーズ・アップセット!下馬評を覆しての3連勝!
 ここまで2連勝、この試合から昨年一度は引退したRB中村多聞が戦列に復帰、LB陣も山田、河口の両プロフットボール経験選手が揃い踏み、と万全の態勢で中盤を迎えたアサヒ飲料チャレンジャーズと、同じく2連勝ながら、接戦を凌いできたクラブベアーズが対戦した。

 立ち上がりからいきなりアサヒ飲料のオフェンスが炸裂する。自陣32ヤードからの2ndダウンで、急成長をみせるRB瀬畑が右オープンからカットバックし68ヤードを走りエンドゾーンを駆け抜けた。
 誰もが先制TDと思ったが、無情にもフィールドにはイエローフラッグ。背後からの不正なブロックでTDは無効、しかも罰退。結局、このシリーズは得点に至らなかった。

 対するベアーズは、敵陣44ヤードからのオフェンス。「昨夜決定した」(外山ヘッドコーチ)今季初スタメンのQB辻が登場。RB波武名、辻野のラン、相手チームの反則にも助けられゴール前27ヤードまで迫る。このシリーズはK高原の44ヤードFGを成功させ、まず先制点を奪った。

 アサヒ飲料は次のシリーズで、RB中村が久々に登場。自陣からのオフェンスを丁寧につなげ、敵陣まで攻め込んだ。しかし、ここからRB中島のランをベアーズのDE衣川がナイスタックルで押し返し、得点を奪わせない。
 アサヒ飲料は、その次のシリーズでも、敵陣23ヤードまで攻め込んでおきながら、エクスチェンジミスでファンブル。攻撃権を奪われてしまう。
 その後は、両チームともある程度は進むものの、決め手に欠き、得点できないまま前半を終了した。

 後半。ここまでベアーズに傾いているモメンタムをなんとか取り戻したいアサヒ飲料。
 QB桂が自ら走ったり、RB中村のラン、そしてWR佐々木へのパスなどでハーフライン近くまで攻めた。ここからロングパスを投じたが、WRが痛恨のパスインターフェア。大きく罰退し、その上、その後のプレーで、パスをインターセプトされ反撃のチャンスを自ら潰してしまう。

 逆にベアーズがそのチャンスを活かす。アメリカでの自主フットボール修行から戻ってきたQB辻がWR竹田へのパス、RB杉山のランとオフェンスをコントロールし、ゴール前へと陣地を進める。
 最後はRB京楽が中央に飛び込んでTD、貴重な追加点を奪った。

 全くいいところのないアサヒ飲料は、自陣からWRの佐々木への27ヤードのパスや、相手反則、RB堀口のランで敵陣19ヤードまで攻め込むが、ここでもRB中村が中央を突破したものの、タックルされてボールをファンブルし、攻撃権を奪われる。
 その後もQBを新生に変え、オフェンスに変化を加えるが、万策尽きてタイムアップ。昨年の王者が思わぬところで敗北を喫してしまった。

 昨年も松下電工に苦汁を飲まされた西宮球技場での敗戦。「完敗です。ベアーズは素晴らしかった」と藤田ヘッドコーチ。「オフェンスもミスがあった。ディフェンスも勝負どころでやられていた。しかしやはり、プレーヤーひとりひとりの気持ちの面で(ベアーズに比べて)はるかに劣っていた。そういう状態でシーズンに臨んでしまっているのは自分の責任です」。
 淡々とゲームを振り返る藤田ヘッドだが「あとは自分たちで切り開くしかない」と最後は再起を誓って力強く結んだ。

 試合終了後のハドル。「みんな今日は見直したぞ!」と外山ヘッドコーチの第1声が飛ぶと、選手達の笑顔が広がるベアーズ。奇しくも98年に0−10で敗戦してから、3年ぶりにアサヒ飲料からの白星となった。
 外山ヘッドコーチは「特別な準備をしたわけではないし、する時間もなかった。RB陣、ディフェンス陣、みんなのひたむきさと集中力に感動しました。選手達に『緊張するなよ』と声をかけた自分が実は一番緊張してました」と頑張った自チームの選手達の健闘を笑顔でたたえた。

 99年のNFL−Eへの参加に始まり、昨秋はカルフォルニアの社会人リーグ(CFA)に参加、アリーナフットボールのトライアウト、サンディエゴ州大での練習参加と1年間の武者修行を経て、ベアーズに戻ったQB辻は「まだまだ新人レシーバー達とは合っていない。今後はもっとフィールド全体を使ったオフェンスをしていきたい」とさらに意気込み十分。今後の活躍にも注目だ。




 
 
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