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　イワタニの第１シリーズをあっさりと４ｔｈダウンパントに終わらせたファイニーズ最初のオフェンス、５０ヤード地点からの１ｓｔダウン１０。ＱＢ木下からのボールを受け取ったＲＢ井場がいきなりのビッグゲイン。
　相手ディフェンスの壁をするりと抜けるとそのまま独走ＴＤ、ファイニーズが先制に成功する。

　この日のファイニーズはＲＢ井場、山崎らベテラン勢の気迫溢れる走りや、新人ながら既にチームの主戦“ミスタースラッシュ”木下らを軸にオフェンスを展開。
　交替違反、フォルススタート、ディレイオブザゲームなどの「してはいけないつまらない反則」（ファイニーズ村田ヘッドコーチ）で、失いそうになるチームのリズムを必死で立て直し、辛抱強く攻め続ける。

　イワタニのＱＢは第２シリーズからＱＢ大橋が登場。「ＱＢ松本を想定していたので大橋まで対応しきれていなかった」と試合後に村田ヘッドがコメントしたディフェンス陣が、なんとか踏ん張ってイワタニの猛攻を０点に押さえるという展開の中、前半終了間際に、ファイニーズＱＢ荒木からＴＥ櫻庭に３３ヤードロングパスがヒット。一気に敵陣２８ヤードへと攻め込む。
　このチャンスをＫ山本の２１ヤードＦＧにつないで、１０−０。貴重な追加点を奪って前半を終了する。

　後半開始早々、ファイニーズが鮮やかなドライブを見せる。自陣２９ヤードからのオフェンスをＲＢ山崎のラン、ＱＢ木下からＴＥ櫻庭へのパスなどで前進。
　敵陣に入ってからはＱＢ荒木が、パスで攻勢。ゴール前１３ヤードまで陣地を進めると、最後は「ずっと狙っていた」（村田ヘッド）という、ＱＢ木下が演じるパスフェイクからのキーププレーでＴＤ。ＴＦＰは失敗したものの１６−０とリードを広げた。

　「開き直って自分たちの出来ることを全力でやろう」（イワタニ森下監督）。ＱＢ大橋もこのままでは終われない。
　自陣３８ヤードから始まった直後シリーズで、ＲＢ川田の力強いランを交えながら、ＷＲ木下、児嶋、藤平、ＴＥ武田らにパスを投げ分け、オフェンスをドライブ。最後はゴール前５ヤードから、ＲＢ川田のＴＤランを演出。２ポイントコンバージョンも決まって、８−１６。反撃を開始する。

　続くファイニーズのオフェンスはあっさりと４回で終了。ファイニーズにとってイヤなムードが漂う中、イワタニのオフェンスがファンブルしたボールをＤＥ森がリカバー。敵陣２５ヤードとファイニーズが願ってもないチャンスを手に入れる。
　ＱＢ荒木から今度はＷＲに入った木下へのパスでダウンを更新すると、ゴール前１ヤードからＱＢ木下が自ら持ち込んでＴＤ。２３−８とする。
　この直後、キックオフリターンの場面で、イワタニがまたしても痛恨のファンブル。これをファイニーズＤＢ西川が確保。再び得た敵陣３７ヤードからのオフェンスを、今度はＦＧに結びつけ３点追加。２６−８と得点差を広げた。

　イワタニＱＢ大橋も必死の追撃を試みる。自陣深い位置からＷＲ山本（裕）へのロングパスを皮切りに、２回にわたる４ｔｈダウンギャンブルを成功させ、ゴール前へと迫ると最後もＷＲ山本（裕）にＴＤパスがヒット。２ポイントコンバージョンを再び成功させ２６−１６。
　「もちろん計算してましたよ」（森下監督）という、三つ巴の場合の得失点差で、ディビジョン４位確保の１０点差へと迫る。

　さらに、残り時間１分３８分からのオフェンスでも、ＱＢ大橋の連続パスが冴え渡り、残り時間０秒でＲＢ川田がＴＤラン決めて、２２−２６(ＴＦＰ失敗)。来季に繋がる粘りを見せて、今シーズンのゲームを終えた。

　最終戦でようやくの白星、厳しかったシーズンに村田ヘッドは「いくら頑張っても結果が出ないと言うのは、自分にも選手達にも、なによりも応援してくれているお客さんに対して辛い。来シーズンはチームを立て直して出直しです」とチーム再建を誓った。

　最後は会心の追い上げ。「あの点差からあそこまで持っていけたのは収穫」と森下監督。「自分たちがどういう風にやっていけばいいのかが見えたシーズン、来季はさらに上を目指します」と、こちらも新たなシーズンを見据えて、２００１年のフィールドをあとにした。