96年のXリーグ開幕以来、7年連続のFINAL6出場を目指すアサヒビールシルバースターと、近年急速にチーム力を強化し、上位を脅かす存在となった学生援護会ROCBULLが対戦。試合はアサヒビールが10−0で辛勝。難敵の挑戦を退けた。
アサヒビールのK山口のキックオフで試合開始。
学生援護会オフェンスはRB松本、中島、片岡のランプレーを中心にXリーグ最強の呼び声の高いアサヒビールDLに対して真っ向勝負を挑み、得点には至らなかったが互角の戦いを予感させる上々の立ち上がり。
一方のアサヒビールはQB東野から新人WR久保田へのパス、RB伊是名のランプレーで1stダウンを重ねて敵陣まで攻め込むが、FGを失敗して先制点のチャンスを逸する。
この後は両チームのディフェンスがフィールドを支配しハードヒットの応酬となる。まずチャンスを掴んだのは学生援護会。LB小林のインターセプトで敵陣からのオフェンスとなり先制点のチャンス。
逆にアサヒビールはピンチを迎えるが、嫌な流れを断ち切ったのはDL佐々木。3rdダウンで学生援護会QB吉田をサックし、ピンチを凌いだ。
前半終了間際、攻撃権を得たアサヒビールの2ミニッツオフェンスは見事だった。
自陣奥深くからのオフェンスで、RB伊是名のランプレー、WR梶山、TE橋詰へのパスで大きく前進し、K山口の42ヤードFGで3点を先制し、後半を迎える。
後半に入っても学生援護会のパワーと気迫は衰えを知らない。
アサヒビールの後半最初のオフェンスをパントに追い込むと、RB片岡のラン、WR川崎へのパスを織り交ぜて敵陣へ攻め込む。
しかしアサヒビールLB玉井がインターセプト。反撃の芽を摘まれてしまう。
一方のアサヒビールはRB波武名のラン、QB東野からWR藤江へのパスなどで敵陣16ヤードまで前進。
ここでQB東野が投じたパスを左サイドライン際を走るWR藤縄が好捕、そのままエンドゾーンに飛び込み待望のTDをあげ、10−0と試合を優位に進める。
この後も学生援護会オフェンスは必死に反撃を試みるがFGブロックを許し、最後のドライブも敵陣深くまで攻め込むが、時間が足りずに試合終了。
相手のミスから得た攻撃権を確実に活かしたアサヒビールが試合巧者ぶりを発揮し、10−0で辛勝。開幕2連続完封勝利を飾った。
「学生援護会はアグレッシブで本当に強かった。今日はディフェンスがよく踏ん張ってくれたが、ON−SKY戦に向けてはオフェンスの改善が必要」と深堀戦略コーディネーターは勝って兜の緒を締めた。
一方、「メンタル面で充実していた。しかし、ターンオーバーや反則を多発したのがうちとアサヒビールとの10点差だろう」とジョン・ポントヘッドコーチは悔やんだ。
しかし、この試合で「学生援護会強し」を強烈に印象づけたといえるだろう。結果は敗れはしたが、今後の上位チームとの戦いぶりは大いに注目である。
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