快晴の横浜スタジアムでの第1試合、Xリーグ初挑戦のIBMBigBlueとクラブダイノス近鉄が今シーズンの初勝利をかけて激突した。
キックオフ直後のファーストプレイ、ダイノス近鉄はショットガンフォーメーションからRB片山にダイレクトスナップ。意表を突かれたIBMディフェンスの一瞬の隙をついて、一気に70ヤードのロングゲインを奪った。
しかし敵陣8ヤードからの絶好のチャンスにもかかわらず、ボールを進めることができなかったばかりかFGも失敗、先制の機会を逃してしまう。
一方のIBMはオフェンスの調子がいま一歩でリズムに乗りきれない。反対に1Qを押し気味に進めるダイノス近鉄は、IBMのパントをブロックして再びチャンスをつかむ。
今度はQB奥のパスが要所でうまく決まり、最後はRB片山がTD。キックも成功して7−0と先制した。
IBMの反撃は1Q終盤になってから。
ダイノス近鉄RB片山に激しいタックルを浴びせてファンブルを誘い、LB菅田がリカバーしたところから始まった。
RB徳地、RB石川らのランプレーを中心にボールを進めて、ゴール前もRB石川がボールを持ってTD。7−7の同点に追いついた。
その後、試合は膠着状態に陥る。均衡が破れたのは前半残り2分に近づいてからだった。
IBMのミスパントで、自陣47ヤードの好フィールドポジションを手に入れたダイノス近鉄は、RB片山のロングランで敵陣に入る。
4thダウン3のピンチもQB奥のキープで乗り切って、この日効果的なゲインを奪っていたWR海道へのショベルパスで勝ち越しのTDをあげた。
IBMも負けていない。QB柴田がWR安田、WR天谷に3本連続してパスをヒットしてあっという間にゴール前に迫った。
そして6プレー目、右エンドゾーンでフリーになったWR釣島に、楽々とTDパスを決めて同点とした。
後半にはいるとIBMは試合の流れをつかもうと積極的にパスアタックを仕掛ける。ところがダイノス近鉄に2シリーズ連続してインターセプトされてしまい逆にピンチを招いてしまう。
一方のダイノス近鉄もオフェンスを進めるのだが、肝心なところでミスが出てせっかくのチャンスをものにできない。
4Qも残り少なくなって同点のまま試合終了するのではないか、と誰もが思い始めたときにビッグプレーが飛び出した。
IBMのパントをダイノス近鉄のリターナーがファンブル、敵陣38ヤードでOL武川がリカバーしたのだ。IBMにとって最後のそして最大のチャンス。
3Q途中から調子の上がらないQB柴田に代わってフィールドに入ったQB大矢のスクランブル、RB児玉のランなどでゴール前8ヤードまで迫ったとき、ゲームクロックは残り18秒。
ここからQB大矢はエンドゾーン左端に走り込んだWR安田にパスを投げた。ダイノス近鉄のDBは良くカバーしていたが、WR安田はそれをかわしてボールをキャッチ、残り時間12秒の劇的な決勝TDでIBMは念願のXリーグ初勝利をあげた。
IBMの的場監督は「鹿島との開幕戦に焦点を絞ってきていたのでわかっていてもテンションが下がってしまっていました。やはりXリーグは難しいですね。」と語り、苦しみながらも手にした初勝利に安堵感を滲ませていた。
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