リーグトップクラスのディフェンス力を誇る強豪同士の一戦。9月27日の東京ドームでのEASTディビジョン注目の鹿島ディアーズ対LIONSの一戦Sは、大方の予想をくつがえす一方的な試合展開。
鹿島が5TD、3FGをあげ、44−0とLIONSを攻守で圧倒。勝ち点を4とし、富士通ともにディビジョン首位に立った。
ともに第1節で接戦を制した両雄の激突。序盤戦の大一番は、誰もが激しいディフェンスの戦いを期待した。
昨年、一世を風靡したLIONSディフェンスは、今季も第1節の日産戦でその実力は証明済み。鹿島相手にその戦いぶりが大いに注目されていた。
しかし試合巧者の鹿島相手に、自らミスを犯しては勝ち目はないことをまざまざと見せつけられた格好となった。
LIONSにとって特に痛かったのは3つのインターセプトとファンブルロスト、さらにパントミスだ。これらのミスから与えた4度に渡る自陣からの鹿島オフェンスを、ことごとく得点に結びつけられてしまう。
「LIONSはいろいろ考えすぎて自滅してくれた感があった」(鹿島・森ヘッドコーチ)というようにトータルオフェンスで47回で144ヤードと、今季から採用したショットガンからのランを主体としたボールコントロールオフェンスが全く功を奏さなかったのが痛かった。
「鹿島は我々が想定したアライン(ディフェンスラインのセット位置)と違った。それに素早く対応出来なかった」と、LIONS大村ヘッドコーチ。
インサイドのトラップからダイブ、オプション、プレーアクションとシリーズを組むお得意のLIONSオフェンスパターンは、終始牙を剥くことはなかった。
一方、自慢の超攻撃的なブリッツ&マンツーマンを主としたディフェンスも「今日はオフェンスラインがよくやった。コーチ陣のお陰」(森ヘッドコーチ)と言うように、鹿島の老練なオフェンスラインに上手くピックアップされ、QB鈴木(和)に19回のパス成功で250ヤード、4TDパスと面白いようにパスを決められてしまう。
鹿島戦用に準備した主将DE西村をインサイドラインバッカーに配した3メンフロントからのブリッヅパッケージも、プレッシャーをかけ切るには至らなかったも大きな敗因だ。
試合は、鹿島のオープニングドライブで、QB鈴木からRB堀口へのスクリーンパスで25ヤードを走りきったTDを皮切りに、第2QにはホットラインWR板井への17ヤードパス。
さらに第3Qには、RB平手の3ヤードラン、LIONSのブリッツからLBとのマンツーマンからミスマッチを狙ったRB池場へ45ヤード独走パス。そしてWR植村へのパスと、毎QでTDをあげる怒涛のオフェンスを披露。
最終プレーでの40ヤードFGを含む3つのFGと、5つのTFPを完璧に決めたK田中の活躍も見逃せない。
LIONSの唯一の得点チャンス、第4Qのドライブも、DE西村をSBに起用したゴール前でパワープレーを展開したが、一矢を報いることは出来なかった。
勝った鹿島は、次節でクラブダイノス近鉄と対戦。日産、富士通戦を前に、さらに勢いを加速したいところだろう。
1勝1敗となったLIONSは、次なる難関、富士通との対戦を控えており、ますます混戦のXリーグEASTから目が離せない。
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