富士通とIBM。注目のIT業界対決は、富士通フロンティアーズが24−13で、IBM BigBlueを退けて4戦全勝。3年連続FINAL6進出を決めた。
10月20日に鹿島ディアーズも同じく、4戦全勝でFINAL6進出を決めているため、EASTディビジョンの出場枠2チームが最終節を待たずに決定した。
週はじめの月曜日。しかも秋の冷たい雨が降りしきる東京。しかしドームの中は今季最高の7,400人の観衆が燃えに燃えた。
一塁側のスタンドには富士通の秋草社長が、三塁側のスタンドには日本IBMの大歳社長が、大勢の社員とともに駆けつけ、熱い声援を送り続ける。日本を代表するIT業界同士の一戦は、その熱いスタンドに応える白熱した好ゲームとなった。
コイントスで後半の選択権を選んだディフェンスに自信を持つ挑戦者、IBM。しかし、そのディフェンスがいきなりの反則で、富士通に2度のダウン更新を与える。
ここで、富士通スターティングQB中澤が新人WR芳賀(駒沢大)へアクロスパスを決め、30ヤードTD。試合開始から僅か6プレーで76ヤードをドライブ、富士通が7−0と先制する。
IBMオフェンスは負傷で戦列を離れていたQB岡村を、満を持してスターターに送る。
その第2シリーズ。自陣29ヤード地点からの3rdダウン1。ランプレーと思いきや、QB岡村はエースWR安田へショートクロスのパスをヒット。WR安田はそのままグングン加速し、71ヤードを一気に駆け抜けTD、7−7。あっという間に同点とする。
第2Qに入ると、富士通はRB森本、飯嶋のランや、WR高橋(睦)のリバースプレーでダウン更新。
最後は、WR高橋(睦)がQB木之下からのヒッチパスを受けると、そのままディフェンダーを引きずりながらエンドゾーンに飛び込みTD。14−7と再度リードを奪う。
ランプレーを富士通ディフェンスにシャットアウトされ、パスに頼らざるを得ないIBM。だが、自慢のディフェンスがモメンタムを引き寄せる。
富士通QB中澤が投げたミドルパスを、CB阿部が狙いすましたようにインターセプト。この試合初めて、富士通陣内での攻撃権を得る。
このチャンスに、WR天谷のサイドラインパスや、スペシャルプレーで富士通の反則を誘うなど前進。ここでまたしても、QB岡村からWR安田への15ヤードTDパスが決まる。
IBMは前半終了間際に、富士通K長谷のFGで17−13とリードを許すものの、互角の戦いぶり。スタンドの声援は、さらにヒートアップしていく。
しかし後半戦に突入すると、富士通が地力の差を見せつける。
第2Q途中から、思うようにパスプレーがつながらなかったQB中澤は、起死回生のロングパス。これがハーフウェイ付近でフリーになったWR水口へ見事に通り、IBM陣17ヤードに入りこむ。
とどめはRB飯島が、パワーで9ヤードを押し込みTD。24−13と、その差を11点に広げる。
第4Qは、ともに前進はするものの決め手に欠く展開が続く。
IBMがキャッチアップを狙った最後のパスを、富士通DBグレッグ・ラフィーバーがインターセプトして、ゲームオーバー。
最後に熱戦を演じた両雄に対し、スタンドから暖かい声援が送られたのが印象的だった。
富士通は最終節で、いままで一度も勝ったことのない鹿島に挑む。敗れたIBMは、最終節のLIONS戦で、単独3位を狙う。
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