Xリーグ3連覇を狙うアサヒ飲料チャレンジャーズと、ベアーズからの移籍組との相乗効果でチーム力の向上が図られたアズワンブラックイーグルスが対戦した。
まずはアサヒ飲料が強さを見せつける。自陣20ヤードからの攻撃でRB中村、村井、杉山らが着実に前進し、一気に敵陣に攻め入る。
ここでQB桂がショットガン体型からプレーサイドの逆へボールを持って走り敵陣32ヤードへ。ここからRB杉山、山田のランは思ったほど出ず、42ヤードのFGを選択、これをK橋本がきっちりと決め先制点を奪った。
しかしアズワンも黙ってはいない。ベアーズから移籍したQB夏目がスタートQBとして登場すると、RB丹野や朴木のランと、TE朴やWR白数、そしてベアーズ時代のホットラインWR竹田へのパスをしっかりと決め、ゴール前8ヤードまで迫った。
ここでRB丹野のランが出ず、結局、そのままKに入った丹野が25ヤードのFGを決め、3−3とした。
アサヒ飲料はこの直後のキックオフでも、KR堀口が26ヤードをリターンし、ハーフライン付近か
らオフェンスを開始。
QB桂が自ら持って走ったり、RB瀬畑が得意のオープンを走りぬけゴール前1ヤードまで迫ると、最後はRB杉山がオフタックル付近を走りTD。10−3とリードした。
また、アサヒ飲料はアズワンRB山本がファンブルしたボールを、LB山田がすかさずリカバー。ゴール前14ヤードからの攻撃権を得て、RB杉山の中央のラン2回でTDし、リードを広げた。
後半に入ってから、アズワンQB夏目のプレーが冴えない。
一方アサヒ飲料はRB杉山、瀬畑、辻野のランだけで45ヤードを稼ぎ、この日3本目のTDを奪う。
次のシリーズでもRB瀬畑のランに、WR椋木へのパスをからめてゴール前10ヤードまで迫ると、QB桂のオープンへのラン、そしてRB杉山がこの日4本目のTDランで完全に勝負を決めた。
ただ、アズワンにとっては28点差をつけられながらも、相手のミスに付け込んでベテランQB杉谷の粘り強くボールコントロール。一矢報いるTDを奪ったことが、今後につながる大きな要素となった。
山川GMは「ランディフェンスが強いというチームに対してあえてランで挑みました。そのため、多くのRBをふんだんに起用することができたことが大きいですね。それとプレースタイルそのものを、今季からカレッジスタイルに変えたことで、QB桂の持ち味も出せました」とまずは新体制での初勝利に一安心といったところか。
しかし「ディフェンスはいかれすぎ。1本目と2本目の差がありすぎです」との課題も。
また89ヤードを走ったRB瀬畑は「自分の得意とする状況やプレーで使ってもらったので、そこそこ走れました。今季は持ち味のスピードを生かした走りを見せたいと思います」と笑顔で話す。
一方敗れたアズワン義政監督は「第4Qに巻き返してくれたことがうれしいです。これまでになかった大きな収穫。でも相手は徹底したラン攻撃でしたね。あれだけこられたら、どうしようもできません。次からは(周りの期待にそえるよう)頑張ります」と次節の試合に向けて、気合いを入れた。
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