3年連続WEST制覇はもちろん、東京スーパーボウルでの王座奪回を目指す松下電工インパルスと、ベア−ズの休部により急遽Xリーグに昇格、わずか2ヶ月の準備で強豪チームとの対戦を強いられた阪急ブルーインズが対戦した。
勝ち負けではなく、いかに失点を少なくして、けが人を出さず戦うか。阪急に求められたこの試合の課題。
しかし第1シリーズのオフェンスで、QB河井の投じたボールを松下電工のDB山田にいきなりインターセプトされてしまう。
松下電工ゴール前20ヤードからのシリーズ。RB荒木の中央、QB高橋(公)からWR松岡へのパス、RB高本のオープン、そして最後は新人RB石野が中央を突破しTD、チームに先制点をもたらした。
松下電工は次のシリーズも敵陣40ヤードというポジションからの攻撃権を得て、高橋(公)からこちらも新人WR野口への41ヤードのパスが成功してTD。
また相手のファンブルから得たゴール前18ヤードからのシリーズでも、高橋(公)、荒木、石野のランでゴール前残り1ヤード。そして最後はRB小林がTD、試合開始からわずか8分で21−0と試合を決めてしまった。
なかなか、敵陣に攻め込むことの出来ない阪急だが、4シリーズ目でようやく敵陣15ヤードまで迫り、Xリーグ初得点も期待されたが、QB河井の投じたボールをLB霊山にインターセプトされ、得点することができなかった。
常にポジションを優位に攻める松下電工、第2Q4分54秒にはK太田の29ヤードのFGが成功、9分53秒にも高橋(公)がTE岡部へのパスでTDし、31−0で前半を終えた。
後半に入ってから松下電工は控えQB高橋(幸)を起用する。しかし、なかなかパスが決められず、また激しいラッシュに対応することができない。
TD2本を演出したものの、ランナーの能力に頼ることが多く、エース高橋(公)との差が大きいことが分かった。
試合は残り時間2秒で、高橋(公)がWR古本にTDパスを決め、終始を圧倒した松下電工が52−0で勝利し、強さをまざまざとみせつけた。
一方の阪急も、RB井岡が松下電工の強力なディフェンス陣を相手に力強い走りをみせるなど、随所に好プレーを見せた。けが人さえ出さず試合に臨むことが出来れば、“2強”以外とは接戦を繰り広げられる可能性も十分ありそうだ。
試合後、村上監督は「集中力のないプレーが多かった。オフェンスはファンブルで2回もターンオーバーし、ディフェンスも肝心なところでオフサイドの反則を犯すなど、これが上位チームとの対戦なら敗戦につながるミス。アサヒ飲料はプレーに迫力があり、タックルも激しかった。それに比べるとうちのは“ママゴト”。集中してプレーすることを、選手が自覚を持って取り組んでほしい」と大勝とはいえ、不甲斐のないチームの出来に怒りを隠し切れない。
一方、阪急の廣見ヘッドコーチは「X2リーグとの差をまざまざと見せつけられた。ディフェンスでもシステムである程度止めることができても、最後は1対1の勝負になり苦しかった。次のイワタニ戦では、オフェンス陣を立て直していい試合を見せたいと思います」とこちらは疲れきった表情だった。
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