初戦、明暗を分けたチーム同士の対戦となった。アズワンを相手にランプレーだけで勝利をもぎとったアサヒ飲料チャレンジャーズ。一方のファイニーズフットボールクラブは、イワタニを相手に全くよいところなく敗戦。
しかし、その経験が前半はそれぞれのチームに影響した。
まずはファイニーズの立ち上がり。シフトやモーションで相手ディフェンスを揺さぶり、RB井場を中心にランで攻める。
得点するまではいたらなかったが、選手やベンチのモチベーションが高く「勝ちたい」という気持ちが前面に出たプレーが繰りかえされた。
対するアサヒ飲料は、第1シリーズで46ヤードのFGを失敗。その後もファイニーズのディフェンスの迫力、粘り強さに苦しめられる。
2度に渡る3rdダウン1のチャンスでダウン更新に失敗。
敵陣36ヤードからのシリーズでも、QB桂からRB中島、WR桃澤、TE高橋へのパス、RB杉山のオープンへのランでゴール前1ヤードまで迫ったものの、RB辻野がファイニーズディフェンスの気迫がこもったタックルを受けボールをファンブル。ファイニーズDL萩山にリカバーされてまたもや得点することができなかった。
しかし、アサヒ飲料は“らしさ”も見せていた。ディフェンスが徐々に相手オフェンスにプレッシャーをかけていたのだ。得意のパントのたびにシチュエーションを有利に持ち込み、前半終了間際には敵陣39ヤードからの攻撃権を得る。
ここからショットガンオフェンスを見せたアサヒ飲料は、QB桂が3rdダウンで、WR桃澤にパスをヒットさせTD。TFPは失敗したものの、前半をかろうじて6−0で折り返すことができた。
後半に入ってからもファイニーズの奮闘が続く。敵陣45ヤードからのオフェンスではQB木下、RB徳重、宮下らのランで着実に前進。
4thダウン7でのギャンブルも、QB荒木がRB池下へショベルパスを成功させ、ゴール前20ヤードまで迫った。
ここからもQB荒木がロールから自ら持って走るなどエンドゾーンまで、あと12ヤードとしたが、最後は27ヤードのFGをK原が失敗し、得点することはできなかった。
アサヒ飲料がようやく底力を見せたのは第4Qに入ってからだ。
自陣34ヤードからRB瀬畑のランと、QB桂のパスなどでゴール前20ヤードまで迫り、RB中島のラン、そして最後はRB辻野がオフタックルからオープンに抜け、相手タックルを跳ね飛ばしTD。TFPも2点コンバージョンを成功させ、14−0とした。
その直後のファイニーズオフェンスで、QB荒木の投じたボールをLB小西がインターセプト。そのままエンドゾーンまで走りこんでTD。キックは失敗したが、20−0とし勝負を決定づけた。
試合後、山川GMは「しんどかった。ショートヤーデージの1stダウンやTDが取れていないのも、精神力があらへんからやと思う。でも今までだったら、こんな試合をしていたら負けていたと思うので、ひとまずは“よし”としたい」と辛勝にもさばさばした表情だ。
一方、ファイニーズの村田ヘッドコーチは「選手がやる気や、勝ちたいという気持ちを表現できるようになってきたと思う。今日も勝てる、と思っていただけに残念。ここ数年前半戦で3連敗ばかりしているので、今季こそそれだけは避けたいと思う」と、こちらも次(松下電工戦)を見据え、今季2度目の出直しを誓っていた。
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