初戦、大勝した松下電工インパルスと、大敗したアズワンブラックイーグルスが対戦した。
「松下電工が2試合連続して大勝だ」。誰もが第1Qに飛び出したビッグプレーでそう思った。
アズワンが攻撃権放棄のため、自陣32ヤード付近でP丹野が蹴り上げたボールを、PR塚崎がリターン。そのままスピードに乗りエンドゾーンまで走りぬけTD。先制点をあっという間に奪ったのだ。
しかし、この日はアズワンも粘りを見せる。激しいQBサックをあびて調子を崩してしまったQB夏目に代わり入ったQB杉谷が、ホットラインWR国塩や、WR竹田(智)にテンポよくパスを決める。
要所ではOLのパスプロテクションが持たず、QBサックされてしまうが、ボールコントロールオフェンスに徹し、相手ディフェンスを脅かした。
一方の松下電工は、パントリターンでTDを奪ったきりダウン更新すらできない。ショートヤ−デージを攻めきれなかったり、QB高橋(公)がパスを失敗したり、反則で罰退など、オフェンスに全く力強さが感じられないのだ。
ようやく前半終了間際にQB高橋(公)からWR古本へのパスが決まり、なんとこの日初めての1stダウン獲得。しかしK太田がFGを失敗し、7−0のまま前半を終了した。
後半に入ってからも松下電工はピリッとしない。自陣からのオフェンスではある程度ボールコントロールできるものの、敵陣に入ると反則などで得点につなげることが出来ない。
第4Qに入ってようやく自陣30ヤードからRB石野が中央を突破し、3rdダウン5でQB高橋(公)からWR古本へロングパスが決まり、TDを奪ったものの、結局、得点は14点止まり。
QBが高橋(幸)に変わっても、ボールコントロールで攻めきることが出来ず、手応えのあまりない試合となってしまった。
アズワンも14点差をつけられた直後に、キックオフリターンでKR長谷が54ヤードのビッグリターンをし、勝利への執念を見せる。
敵陣33ヤードからRB丹野、朴木、山本(拓)のランとQB杉谷からWR竹田(勉)へのパスなどでゴール前5ヤードまで迫った。
ここからQB杉谷が3回パスを投じるがすべて失敗し、得点することが出来なかったが、次への望みをつなぐ試合となった。
松下電工の村上監督は「出だしでイロイロとやろうとしてリズムに乗れなかった。オフェンスは自信を持ってプレーを出せていない。ドライブしていく力がない。ディフェンスはゾーンで守りきることに徹底できたので、それは評価できる」と淡々と話す。
一方、アズワンの義政監督は「選手はよくやってくれたと思う。ただ、ゴール前でTDを取れないのが、うちの実力だ。前節はアサヒ飲料に勝つつもりで夏の練習をしてきてボロ負けしたが、選手がよく立ち直ってくれた。次の阪急戦は(入替戦回避のためにも)大切な試合なので頑張りたい」と話し、ようやく姿の見え出したチームに安心しつつ、気を引き締めなおしていた。
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