ここまで2連敗で白星に恵まれていないアズワンブラックイーグルスと、阪急ブルーインズが対戦した。
まず立ち上がり自陣21ヤードより阪急がテンポよく攻めた。QBにランを得意とするQB橋本を起用するなど地上戦を挑み、RB井岡が12ヤード、7ヤードと快調にゲインを奪う。
またRB西口も5ヤードを走り、ハーフライン近くまで陣地を進め、ここからQBを河井に代えてパスで攻めるものの失敗、攻守交替となった。
アズワンもRB山本(拓)を軸に、中央のランやパスキャッチで進んだが、こちらもQB夏目がパスを連続して失敗し、第1ダウンを奪うことができない。
その後、両チームとも立ち上がりの勢いをなくして迎えた第2Q。まず阪急が得点のチャンスを迎える。
自陣44ヤードからRB小畑、井岡のラン、そしてQB河井からRB西口へのパスでゴール前27ヤードまで迫る。
ここで43ヤードのFGを選択、K佐藤がキックしたが惜しくも失敗。先制点を奪うことはできなかった。
一方のアズワンは、2度に渡るパーソナルファールで罰退を繰り返し、オフェンスがリズムに乗らない。しかもWRの竹田(智)が、その反則で退場処分を受けてしまう。
そのアズワン。後半早々の自陣18ヤードからのオフェンスで意地を見せた。RB山本(拓)、長谷、丹野のラン、そしてQB杉谷からWR国塩、TE朴へのパスでハーフライン付近まで陣地を進める。
しかしここでQB杉谷が投じたパスを、阪急のLB竹内がインターセプト。しかもゴール前13ヤードからのディフェンスを強いられるピンチが舞い込んでしまった。
だが阪急もここで前に進むことができない。いずれのランも決め手にならず結局FGを選択、32ヤードのキックをK佐藤が決め、3−0。阪急が先制点を奪った。
“何が何でも”この試合を落とすことができないアズワンも、次のシリーズでようやくオフェンスがつながった。
自陣21ヤードからのシリーズ。QB杉谷がテンポよくパスを決める。RB山本(拓)、WR竹田(勉)、TE白数らと息の合ったところを見せる。
ハーフライン付近からWR竹田(勉)へ30ヤードのパスが決まり、ゴール前20ヤード。ここからRB山本(拓)が15ヤードを奪うビッグゲイン。
そして最後は、RB長谷がエンドゾーンを走りぬけTD。7−3と逆転に成功した。
第4Qに入ってからは、得点のチャンスをインターセプトで逃すなど、どちらのチームもエンドゾーンが遠のく。
阪急の逆転を賭けた最後のシリーズも、QB河井がパスを決めることができずゲームオーバー。辛くもアズワンが、2002年リーグ戦の初白星を手にした。
アズワンの義政監督は「反則とミスだけは絶対にあかんと言ってきたのに、こんな内容では勝てる試合も勝てない。危機感をもって試合に臨んだはずなのに、策にもおぼれすぎたかもしれない」と険しい表情を見せる。
「あと2試合、うちの評価を落とさないためにも、勝って3位に入って意地をみせたい」と、初勝利にも笑顔はない。
一方、阪急の廣見ヘッドコーチは「パス、ランともバランスよくアタックして、進んでいるように見えたが、進んでいない。ディフェンスに関してはよくがんばったと思う」と、こちらは接戦につかれきった表情だった。
|