試合内容には不満でも、目下2連勝中の松下電工インパルスと、試合に勝てそうでミスで自滅、2連敗中のファイニーズ・フットボールクラブが対戦した。
この試合こそ、持てる力を見せてほしい松下電工。そんなファンの思いが通じたのか、第1シリーズでいきなり強さを見せつけた。
自陣33ヤードからRB小林(孝)がオフタックルを強いランで走りぬけ敵陣へ。その後、QB高橋(公)からWR古本へのパス、RB樫野、小林(孝)のラン、そしてQB高橋(公)が自ら持って走り、ゴール前3ヤードまで迫る。
ここでゴール前で起用されるオフェンススペシャルチームのSB/DL山中へのリバースプレーが成功してTD。TFPは失敗したが、先制点を力強く奪った。
ファイニーズはQB荒木が積極的なパスオフェンスを見せる。しかし、第2シリーズでそのオフェンスが裏目に出る結果となってしまった。
QB荒木の投じたボールを松下電工DB高橋(英)がインターセプト。いきなりゴール前18ヤードからの攻撃権を得た松下電工は、RB石野、樫野のランに交えてパスを投じるが、WRがカバーされており決めることができない。
ゴールまで3ヤードを残してFGを選択。ここはK太田が20ヤードをしっかり蹴りこみ9−0とした。
エースRB井場の走りを何とか活かしたいファイニーズだが、松下電工ディフェンスの厚い壁や、反則に阻まれ前に進むことができない。
雨が降り出して、ランプレーを中心にオフェンスしてくる松下電工のグランドアタックに手こずり、第2Q9分7秒にもTDを奪われ、15−0で前半を終えた。
何とか一矢報いたいファイニーズは、後半にようやくドライブを見せた。
自陣40ヤードからRB井場のスイープで敵陣30ヤードへ。続いてRB山田がピッチを受け、11ヤードを走ってダウン更新。
ここからQB荒木がRB井場へパス、RB徳重がオープンへのランを見せ、ゴール前8ヤードまで迫る。しかし、ここから攻めあぐね24ヤードのFGを選択。
K原が蹴ったボールは、松下電工のLB霊山にブロックされ、3点を返すことができなかった。
第3Qは追加点を奪えなかった松下電工だが、第4Qにようやくオフェンスがリズムを取り戻した。
自陣44ヤードからRB小林(孝)がオープンを走りゴール前18ヤード。ここからRB石野へのパスと、RB樫野のランで残り9ヤードまで迫り、最後はTE小林(佑)へパスが決まりTD。22−0とし、試合をほぼ決定づけた。
QBが高橋(幸)に変わっても、松下電工の誇るRB陣がしっかりと仕事をして、さらに2本のTDを決めるなど、終始オフェンスの手を緩めなかった松下電工。
これで開幕から3試合連続の完封勝ちとなった。
完封、圧勝にも松下電工の村上監督は「デフェンスも、いまの内容では点を取られる可能性もあります。オフェンスの立ち上がりはよかったけど、その後が続かず。ずっとあれが続けられたらいいけどね」と相変わらず厳しい表情。
一方敗れたファイニーズの村田ヘッドコーチは「第3Qの安全策でいったはずのFG失敗が大きかった。得点するチャンスをつぶしていては勢いにのる機会もなくなります」と、3連敗に疲労の色は隠せなかった。
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