ここまで惜しいゲームをしながら、勝ち星に恵まれないファイニーズ・フットボールクラブと、前節は阪急との接戦の末、待望の1勝目をあげたアズワンブラックイーグルスが対戦した。
アズワン最初のオフェンスシリーズ。50ヤード付近からQB夏目の投げたパスを、ファイニーズの主将DB濱田がインターセプト、敵陣39ヤードと絶好のフィールドポジションを得る。
このチャンスに、チームの期待を背負ったエースRB井場が一気に駆け抜け、独走のTD。TFPは失敗したものの、6−0。ファイニーズがまず先制する。
アズワンも黙ってはいない。QB夏目からTE朴へのパスでダウン更新すると、続いて4thダウンパントの状況で、ファイニーズの反則に助けられてダウン更新、敵陣へ。
ここで新人RB朴木が、27ヤードを走ってゴール前へと陣地を進めると、Qタイムを挟んで、K丹野が26ヤードFGを決めて、3−6と追撃を開始する。
なんとしても白星が欲しいファイニーズ。自陣11ヤードからのオフェンス、RB井場のカウンターフェイクからの豪快なランで一発ダウン更新すると、RB徳重、池下のラン、QB荒木からWR寒川へのパス、WR吉村のリバースなどで敵陣へと前進する。
ここでまたしてもRB井場が、相手ディフェンスを振り切って43ヤード独走のTD。TFPもQB荒木が駆け込んで2ポイント成功、14−3と突き放す。
引き離されたくないアズワンも、前半終了間際、ショットガン体型からQB夏目がWR白数へのパスを連続ヒット。
一気にゴール前へと攻め込むと、最後はWR竹田(智)へのTDパスを通し、10−14で前半を折り返す。
3Qは互いにディフェンスがアジャストして重苦しい展開。追加点を最初に手にしたのはファイニーズだった。
自陣38ヤードからのオフェンス。QB荒木からRB井場へスクリーンパスが通って、RB井場が敵陣まで持ち込む。
さらに3rdダウンロングから、“ミスタースラッシュ”のQB/RB/WR木下が鮮やかなパスキャッチを見せて、ゴール前10ヤード。ここでQB荒木からRB池下へのTDパスが決まって、21−10。リードを広げた。
「リードされても最後までモチベーションを維持して、集中してやろう」と、ゲキを飛ばしたというアズワンの義政監督。
直後のオフェンスで、QB夏目からWR竹田(智)のパスでダウンを更新すると、自陣40ヤードからRB山本(拓)が60ヤード独走のTDラン。TFPは2ポイントコンバージョン失敗で、21−16。
続くファイニーズオフェンスをあっさり4回で仕留めると、QB夏目からWR竹田(勉)へロングパスが決まって、ゴール前7ヤード。
ここでRB丹野が、中央付近をねじ込んでTD。再び狙った2ポイントは失敗したが、22−21と、アズワンがついに逆転に成功する。
ファイニーズもRB井場を軸に必死の反撃を試みるが、残り時間1分31秒、アズワンDB大木にパスインターセプトを奪われ、万事休す。手痛い1点差負けとなった。
この日は、メンバー不足でフル出場も覚悟した義政監督だったが、なんとファーストプレーで負傷退場。「監督のためにも今日はやらなあかん、とレシーバー陣が頑張ってくれました」と目を細める。これは文字通りの“ケガの功名”。
「なんとか勝ち越しを狙いたい」と、次節イワタニとの古豪対決にも気合いが入る。
一方、全敗で最終節を迎えることとなったファイニーズ村田ヘッドは「ミスが多すぎた。ウチの選手にはもっと経験が必要」と、厳しい表情で話した。
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