Xリーグ発足後、初のリーグ戦3勝目を狙うイワタニサイドワインダーズとアズワンブラックイーグルスが対戦した。
ともに相手がリズムに乗る前に得点を重ねたい両チーム。まずビッグプレーを見せたのはアズワンだった。
キックオフ直後の自陣20ヤードからの第2プレー。QB夏目のスイープを受けたSB宮崎からWR国塩へ、スペシャルプレーのパスが決まる。大きく前進しゴール前3ヤードまで迫った。
いったん下がったものの、QB夏目がWR竹田(智)へ6ヤードのパスを決めTD。試合開始2分29秒で先制点を奪った。
対するイワタニも、その直後のオフェンスで自陣47ヤードから、RB川田のランなどで着実に前進、最後はK仙波が47ヤードのFGを決めてまず3点。
また次のシリーズでも、K仙波が28ヤードのFGを決めて、前半を7−6で折り返した。
後半、先にチャンスをつかんだのはアズワンだ。
イワタニ自陣36ヤードからのオフェンスで、QB大橋の投じたボールをDB西田がインターセプト。前半の第1シリーズ以来、いいところのなかったオフェンスにチャンスが回ってきた。
アズワンは、ここでまずQB夏目から竹田(智)へのパス、そして山本(拓)のランでゴール前25ヤードまで迫った。
なおもTDを狙うべく、QB夏目がパスを3度投じるがいずれも失敗。最後はK丹野が42ヤードのFGを決めて10−6とリードを広げた。
また第3Q終了間際にも、イワタニQB大橋の投じたボールをまたもやアズワンDB益田がインターセプト。敵陣43ヤードからの攻撃権を得る。
ここからまずはQB杉谷のオプションキープと、オプションピッチを受けたRB丹野のランでゴール前24ヤード。次にQB杉谷がWR竹田(智)へパスを決めさらに前進し、11ヤードまで迫った。
再びQB杉谷がオプションキープでTDを狙うが届かず、最後はK丹野が22ヤードのFGを決め、13−6とした。
なんとか追いつきたいイワタニ。試合終了まで残り5分1秒、敵陣46ヤードからオフェンスを開始。エースRB川田にすべてを託す。
RB川田は、スイープやオフタックル、また中央を必死に走り、ゴール前8ヤードまで迫った。ここからもQB大橋が、RB川田へパスなどを決めてゴール前1ヤードと迫り、最後はRB兼本がスイープでTD。TFPをキックで決め、残り時間35秒でついに13−13の同点に追いついた。
このままで終われば、リーグ通算の得失点差で3位が確定するイワタニだったが、念願の“3勝目”の誘惑からか、逆転を狙うためにオンサイドキックを選択。
しかしこれが失敗に終わり、逆にゴール前45ヤードからの攻撃権を与えてしまった。
試合終了まで30秒。ここでシーズンを通して控えに甘んじてきたQB杉谷が意地を見せた。ショットガン体型から2度のQBスクランブル。
ゴール前16ヤードから、QB杉谷がWR竹田(勉)へ勝ち越しのTDパスを決め、19−13で勝利。Xリーグで初めて3勝目をあげ、単独3位を決めた。
そのQB杉谷は「今日はこのまま帰るのかな、と思いましたが、最後に大きな仕事ができてよかった」と目を潤ませる。
またアズワンの義政監督も「勝ててホンマによかった。全員で勝ち取った勝利です」と今シーズン最高の笑顔を見せた。
一方、イワタニの森下監督は「最後のオンサイドキックはベンチの判断ミス。選手に申し訳ない」と、大きく天を仰いだ。
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