FINAL6への道のりを争う中で、両チームがどうしても落とせなかった注目の試合。
要所でオンワードスカイラークス(ON−SKY)の集中力が勝ったことが、アサヒビールシルバースターを下した結果となった。
ON−SKY自陣25ヤードからオフェンス開始。初戦を欠場し、「今日に照準を絞っていた」というRB加畑がインサイドに、オープンに、と多彩なランを見せ、早くも敵陣7ヤードまで前進する。
最後はQB冨澤からWR神へのフェイドパスが決まり、ON−SKYが1stシリーズで先制する(TFPキックは失敗)という、絶好の滑り出しを見せた。
一方のアサヒビールも敵陣40ヤード、好ポジションからのシリーズ。RB中村(友)、RB波武名が運び、こちらもQB金岡からWR藤縄へパスでTD。TFPキックも決まり7−6と逆転する。
第2Qは、両チームのディフェンスがゲームを動かす。
ON−SKYのP福田の好パントにより、自陣1ヤードからとなったアサヒビールのオフェンス、その2ndダウン。
QB金岡からボールを受け取ったRB花房を目がけて、ON−SKYのDL朝井が猛ラッシュ。エンドゾーン内でタックルし、セーフティにしとめる。これで8−7となり再逆転。
その裏のアサヒビールディフェンス。QB冨澤のパス攻撃にゴール前11ヤードまで攻め込まれるものの、DL阿部のQBサック、そしてLB天河のFGブロックが飛び出し、次のシリーズもDB米田のインターセプトで前半を締める。
この第2Q。ON−SKYは時間にして10分近くもオフェンスに費やしながら、結局セーフティの2点に押さえ込まれた。
どちらも全く引けを取らない緊張した試合展開のまま、勝負は後半に持ち込まれる。
第3Qも両チームのディフェンス陣が踏ん張り、パントの応酬となった。
ON−SKYも、QB小島にスイッチし、ショットガン体型からラン、パスと打開策を図るものの、進まずパント。
ここからアサヒビールのオフェンス、と思った矢先、フェアーキャッチの体勢に入ったPR工藤が痛恨のファンブル。前にこぼれたボールをON−SKYのDL曽我部がリカバー。「流れが全部いってしまうミスだった」。(アサヒビール・阿部監督)
ON−SKYにとっては、敵陣22ヤードからと千載一遇のチャンス。ここはQB小島、RB加畑の連続ランアタックでしっかりとモノにしTD。15−7とついに均衡を破る。
なんとか巻き返したいアサヒビールだが、RB中村(友)のラン、WR梶山やRB吉岡へのパスとプレーを散らすが、ON−SKYの繰り出すブリッツディフェンスに対応できず、ドライブが続かない。
第4Q。敵陣40ヤードから4thダウン残り5ヤード。
アサヒビールはここで勝負に出る。パント体型からRB中村(友)へダイレクトスナップ。パントフェイクからの奇襲ランプレーで中央を突いたが、LB城ヶ滝が、判断良くこれをタックル。
この一連のキッキングゲームが、勝敗の分かれ目となった。
アサヒビールは、その後もオフェンスに3シリーズ回ってきたものの、終始ドライブができなかった。4thダウンギャンブルのパスも、DB西村のパスカット、DBミッチェルのインターセプトと、ON−SKYディフェンス陣に主導権を握られていた。
最後は集中が切れたのか、RB加畑の80ヤード独走TD、K福田のFGを許し、24−7となったところで試合終了となった。
「同じ1勝でもシルバースターからの勝利は価値がある。これはチーム全体に大きなモチベーションを与える」とON−SKYの野田監督。
「ここからチームを立て直すのは大変厳しい。もう一度最初からやるしかない」とアサヒビールの深堀ヘッドコーチ。
『均衡した試合では、ひとつのミスが命取りになる』という言葉を、まさに体現した試合であった。このような教訓を、2戦目にして経験した両チームの今後の戦いぶりに注目していきたい。
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