混戦模様のEAST最終節第2戦。苦戦しながらも、少ないチャンスを確実に得点に結びつけたアサヒビールシルバースターが日産スカイライナーズを破り、FINAL6進出の可能性を残した。
この結果により、EASTのFINAL6進出チームの決定は、11月5日に東京ドームで行われる最終戦オンワードスカイラークスと富士通フロンティアーズの一戦に持ち越されることになった。
前節同様、QB岡本、藤澤の両QBを使い分け、オフェンスを展開した日産。試合開始直後のシリーズでチャンスが訪れる。
RB望月、伊橋のランで立て続けにゲインし、敵陣10ヤードまで迫る。TDこそ奪えないものの、FGを成功させ、日産が先制点をあげる。
続くアサヒビールのオフェンスも止め、日産に流れが行くかと思われた矢先、日産のQB藤澤からのパスをTE洗井がはじいてしまう。
そのボールをアサヒビールLB玉井がインターセプト、さらに後方にいるLB今野にピッチし、大きくリターン。アサヒビールが敵陣18ヤードからのオフェンスという大きなチャンスを得る。
ここでアサヒビールは、4thダウンギャンブルをRB吉岡のダイブプレーで成功させると、RB伊是名のランでTDを奪い逆転する。
このシリーズで流れを掴んだアサヒビール。続く日産オフェンスを3プレーで止めると、日産のパントをDB工藤がブロック。ブロックしたボールをDB工藤が自ら拾い、そのままエンドゾーンに駆け込んでTD。日産を突き放す。
勢いに乗ったアサヒビールは、自陣3ヤードからのオフェンスで、今日のスターティングQB東野が18プレー、90ヤード、8分25秒というロングドライブを見せ、敵陣7ヤードまでせまる。
最後はFGを成功させ、さらに日産を突き放した。
しかし第2Q残り2分38秒。日産の自陣29ヤードからのオフェンスで、日産はQB岡本のオプションのキープ、QB藤澤のショットガンからのオプションなどでゲインを重ねる。
敵陣18ヤードまで迫ると、残り時間0秒でK竹島がFGを決め、日産が点差を詰めて前半を終了する。
後半は両チームともランを中心にオフェンスを展開し、速いペースで時計が進んでいく。
前半好調だったアサヒビールオフェンスは、日産ディフェンスに対しドライブができなくなり、日産陣に入れなくなる。
一方、良いカタチで前半を終えた日産は、オプションオフェンスが好調になり、QB岡本のオプションキープや、RB長谷川のピッチプレーでゲインを重ねる。
しかし敵陣までドライブするものの、得点を奪えぬまま時間だけが経過していく。
試合残り時間6分10秒、日産の自陣18ヤードからのオフェンス。
日産は10プレーで敵陣4ヤードまで迫るが、最後の4thダウンギャンブルをアサヒビールLB玉井に止められ、万事休す。17−6でシルバースターが勝利した。
試合結果を見ると、日産はダウン更新数、獲得ヤード、ボール所有時間と、全てでアサヒビールを上回っており、ファンブルもなく、反則もわずか1回−5ヤードのみ、という非常に素晴らしい数字を残している。
それだけに、インターセプトやパントブロックという僅かなチャンスを、全て得点に結びつけたアサヒビールの勝負強さが際立った。
試合後、アサヒビール深堀ヘッドコーチは「日産は最も完成度の高いオプションチーム。ブロック、タイミングに翻弄されたのは否めない。今日の収穫は勝てたこと。内容に関しては満足していない」と、厳しい評価をしたが「FINAL6の可能性が残ってホッとしています」と笑顔もこぼした。
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