昨晩より降り続く雨。特に午後からは、その雨脚が一段と激しくなる。そのような状況下で行なわれた松下電工インパルス(WEST1位)と、アサヒビールシルバースター(EAST2位)のFINAL6準決勝戦。
勝負の行方を決めたのも、やはり“雨”だった。
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先制したのはアサヒビールだ。自陣29ヤードからのオフェンスシリーズ。
反則などでの罰退を、QB金岡からTE橋詰、黛へのパス、RB伊是名のランなどで切り抜け前進すると、敵陣27ヤードで、QB金岡のパスをベテランWR梶山がダイビングキャッチ。ゴール前1ヤードまで迫る。
最後は、RB吉岡が右オープンを走り抜けTDし、念願の先制点を奪った。
しかしその後は両チームとも決め手に欠き、7−0で前半を終えた。
後半に入り、アサヒビールにミスが出る。
RB花房がボールをファンブルし、松下電工に押さえられてしまう。いきなり敵陣36ヤードからのオフェンスとなった松下電工は、RB樫野のランの後、攻守両面で活躍するSB山中がモーションして、相手ディフェンスを強烈にブロック。
ぽっかり空いた穴を、RB石野が走り抜けると、2度のタックルをライン際で振りほどき、そのまま独走。7−7の同点とした。
しかし、雨はますます強くなる。人工芝の球技場に水が浮き出すほどの強い雨だ。そして雨に濡れたボールが、松下電工WR下川の手に一旦入りながら、ファンブルを誘ってしまった。
敵陣44ヤードからの攻撃権を得たアサヒビールは、3rdダウン20のピンチを、RB斉藤のドロープレーで切り抜ける。
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次の3rdダウンロングのプレーも、QB金岡からTE橋詰へのパスでダウンを更新。ゴール前11ヤードまで迫った。
ここからRB花房、伊是名と走り、最後はRB吉岡が2度持って走りTD。勝ち越しに成功した。
第4Qに入って、アサヒビールは自陣49ヤードからのオフェンスで、RB花房が3連続ラン。ゴール前17ヤードまで前進すると、次はRB伊是名が3回持って走りTD。
OLとRBが一体となって21−7とし、ほぼ試合を決定づけたかに見えた。
しかし、ここから松下電工が粘りを見せる。
自陣7ヤードからのオフェンスで4thダウン12のギャンブル。QB高橋(公)が投じたボールは、アサヒビールのDBにカットされたと思われたが、浮いたボールをWR塚崎がキャッチして、敵陣に乗り込んだ。
ここでも、QB高橋(公)が投じたロングパスを、WR下川が執念で確保。ゴール前1ヤードまで迫った。
最後はWR山本へパスを決めTD。21−14と追い上げる。
そして勝利への望みをかけたオンサイドキック。しかしこれはアサヒビールががっちり押さえ、そのまま試合終了。アサヒビールは4年ぶりの決勝進出を決めた。
アサヒビールの深堀ヘッドコーチは「選手がきわどいところで踏ん張ってくれた。リーグ戦で負けたことで、一回り大きくなれたと思う。トーナメントの中でようやく出てきた勢い。次も実力を出し切って、頑張りたい」と話す。
一方、松下電工の村上監督は「(1番の敗因は)ファンブルでしょう。でも選手もイケると思って、結果がそうなったんだと思う。それとディフェンスがタックルを一発で決められなかったのも痛い。むこうのRBがすごかったんでしょう」と、淡々と試合を振り返っていた。
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