目の前で宿敵・アサヒ飲料が圧勝した試合を見せ付けられた松下電工インパルスが、念願のXリーグ初昇格で意気のあがる内外電機マーヴィーズと対戦した。
やはりX2リーグとはレベルが違うのか。
内外電機、待望のXリーグ最初のオフェンス。QB早稲田からボールをハンドオフされたRB小田は右オフタックル付近を突破しようとしたが、そこに立ちはだかったのは、松下電工のベテランDL脇坂だった。
強烈なタックルでボールをファンブルさせた。スピード、パワーなどその違いを覚悟していた内外電機の選手達だが、いきなり見せつけられたその違いにしばし呆然。
しかもそのボールを敵陣22ヤードでリカバーした松下電工は、QB高橋(幸)から主将RB荒木へのパスを成功させゴール前11ヤード。
ここからQB高橋(幸)のキーププレー、RB小林、石野のランで前進し、最後はRB樫野がオフタックル付近に飛び込んでTD。相手のミスにつけ込んでしっかりと先制点を奪った。
一方、松下電工も次のオフェンスでQB高橋(幸)のパスを内外電機DB渡邊にインターセプトされてしまう。続く内外電機オフェンスをディフェンス陣がしっかりと抑えたため、ことなきを得たが、QB高橋(幸)の不安な面も覗かせた。
第2Q12秒に、K太田が40ヤードのFGを決めてリードを広げた松下電工は、続く自陣26ヤードからのオフェンスで、QB高橋(幸)がパスに切れをみせる。
RB石野のランに続いて、WR下川へのパスで前進。そして新人WR丸山(関西大)へ49ヤードのロングパスを決めゴール前7ヤードまで迫り、最後はWR山本へ7ヤードのTDパス。
春のシーズンから取り組んできたパスオフェンスを見事に成功させ17−0とした。
後半に入ってから2シリーズ目の松下電工オフェンス。
敵陣34ヤードからQB高橋(幸)がWR下川へパス。RB小林、粳田のランをはさんで、再びWR山本へのパスでTD。
次のシリーズでは、WR下川への52ヤードのロングパスが決まりTDするなど、パスで得点を重ねた。
終わってみれば、パスで261ヤード前進、TD6本のうち5本をパスで奪うなど、これまでのチームカラーを一新した松下電工。
しかし、パスプロテクションが持たずにQBサックされたり、内外電機DB渡邊に2度もインターセプトされるなど、反省点も多い試合となった。
対する内外電機は、オフェンスのミスが失点につながったものの、ディフェンスが積極的な動きをみせるなど、予想以上に健闘した。
試合後、松下電工の村上監督は「パスを中心にコールしているので仕方がないのかもしれないが、OLのプロテクションが予想以上にやられた。このままではやばい。それとあいているレシーバーがいるのにそこに投げられていない。スパッと決めてほしかったですね」と反省点を挙げるものの、チーム全体の仕上がりは、まずまずとの評価。
一方の内外電機の野村コーチは「失点はほとんどが攻撃がらみだったので、守備が頑張ってくれたことを評価したい。松下電工に食らいついてくれたと思う。ただ場慣れというか、ミスが出ると簡単につけ込まれますね。今後へ向けての反省点とします」と、Xリーグ初舞台を終え、まずはほっとした表情で話していた。
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