阪急ブルーインズと内外電機マーヴィーズ。昨年から昇格の阪急、今季から初昇格した内外電機。
ともにXリーグWESTの新しい顔として注目を集めたフレッシュ対決は、最後まで集中力で押し切った内外電機が、念願のXリーグ初勝利。嬉しいリーグ戦1勝目を挙げた。
内外電機の先発QBは、前節で負傷退場したエースQB早稲田ではなく、WR登録のQB寺尾。
自陣36ヤードから始まった最初のオフェンスを、RB光山、松本らのランに自らのキープも交え、丁寧にドライブを開始する。
敵陣40ヤード付近に入ったところで、パスの構えからスクランブル発進。これが阪急ディフェンス陣のタックルミスを誘いロングゲイン。
一気にゴール前6ヤードと得点圏に陣地を進めると、最後はRB山崎が力強く押し込んでTD。キックも決まって、7−0と先制に成功する。
阪急も、前節で松下電工を苦しめたフレックスボーン隊形から、RB西口の中央突破を軸に、RB三井、井岡らのランでオフェンスを進めようとするが、ドライブが続かない。
特に「松下電工戦をよく研究して、ディフェンス陣が練習の成果を発揮してくれた」(内外電機・野村ヘッドコーチ)という、RB西口の中央突破をほぼ抑え込まれたことが、最終的なラン獲得が70ヤードと、このオフェンスの機能を半減させた。
しかし阪急も、先制点を奪われたあとはディフェンス陣が踏ん張り、試合は膠着状態となる。
パントの応酬が続いた前半終了近く。
敵陣47ヤード付近で4thダウンギャンブルの勝負に出た内外電機のオフェンスに対し、阪急ディフェンスが痛恨のオフサイド。
この反則で、労せずダウンを更新した内外電機は、RB山崎のランなどでエンドゾーンに近づくと、K坂本が46ヤードFGを成功させ追加点。10−0とリードして前半を終了する。
後半に入っても気合い充実の内外電機。自陣30ヤードからの阪急オフェンスで、阪急QB橋本に内外電機ディフェンス陣が激しいファンブルフォース。
こぼれたボールをDL樋口がしっかり確保し、ゴール前20ヤードと願ってもないチャンスを作り出す。
この得点機にTDこそ奪えなかったものの、K坂本が再びFGを決め、さらに得点差を広げる。
終了間際にも、阪急が自陣10ヤード付近で4thダウンギャンブルを失敗し、このチャンスはQB寺尾が自ら持ち込んでダメ押しのTD。内外電機が完封試合で初勝利を獲得した。
社会人リーグ加盟8年目。念願のXリーグ昇格、そして目標の初勝利を果たしたマーヴィーズ丹羽部長は「チャレンジが実った格別な1勝」と感慨深げに語った。
「試合を通じて集中力を切らさないように戦うことが出来た。次のアサヒ飲料戦も胸を借りるつもりで戦いたい」と野村ヘッド。目標達成のあとは、さらなる飛躍を目指して挑戦を続ける構えだ。
一方、手痛い3敗目となった阪急の廣見ヘッドコーチは、「最悪の結果。去年からの課題がモロにでた。オフェンスの目的を練習中から意識して、完成度をもっと高めていきたい」と、不発に終わったオフェンスの立て直しを誓った。
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