秋晴れの神戸市王子スタジアムに、XリーグWESTが初登場。
ここまで未勝利同士、リーグ生き残りをかけたサバイバルゲームに挑むイワタニサイドワインダーズと阪急ブルーインズが対戦した。
試合は、第3Qまでイワタニが主導権を握って展開したが、最終Qに阪急が集中攻撃で一気に逆転。初白星をもぎ取った。
開始第2シリーズ目のイワタニ、自陣20ヤードからドライブ開始。RB川田、兼本のランや、QB松本のキープ、QB松本からWR国府へのパスなどでダウン更新を重ね、ゴール前20ヤードへ。
ここでQB松本からTE武田へTDパスが通り、イワタニが先制に成功する。
追加点を奪いたいイワタニの第2Q。自陣45ヤードからRB川田にボールを集めて、ダウン更新。
RB兼本のラン、WR国府へのパスでゴール前4ヤードまで進めると、最後はRB川田が相手ディフェンスのタックルをかわしてTD。
前半終了間際にも、RB川田のランを軸にゴール前まで攻め込むと、K仙波がFGを決めて17−0。試合を優位に進める。
しかしこの最後のシリーズの途中で、RB川田が負傷退場。「主戦が欠けるとやはりツライ」(イワタニ・森下監督)と、結果的にこの大黒柱の後半欠場が、イワタニオフェンスの能力を半減させた。
「QB橋本が思いきってプレーして、ようやくランとパスがかみ合った」(阪急・廣見ヘッドコーチ)。
第3Q終了間際、阪急自陣8ヤードからのオフェンス。QB橋本からRB井岡へこの日初めてパスが通り、これが51ヤードのロングゲインとなる。
敵陣に入って2回の4thダウンギャンブルを成功させ、ゴール前3ヤード。ここでQB橋本からWR五島へTDパスがヒット、反撃の狼煙を上げる。(TFPパス失敗)
さらにイワタニのキックオフリターンチームの隙を突いて、阪急がオンサイドキックを成功させ、オフェンスを続行。
QB橋本の気迫溢れるキーププレーを軸に、次々とダウン更新。最後はQB橋本が自ら持ち込んでTD。TFPもRB井岡が駆け込んで2ポイントコンバージョンを成功、14−17と追い上げる。
モメンタムを完全に掴んだ阪急。こうなると勢いは止まらない。
続くイワタニのオフェンスをピシャリと押さえると、敵陣37ヤードからのシリーズで、QB橋本がパスの構えからスクランブル発進、ゴール前15ヤード。
このチャンスにQB橋本から、エンドゾーンに走り込んだTE大脇へTDパスが決まり逆転。TFPのキックも成功し、21−17と試合をひっくり返した。
結局、終了間際にもイワタニの4thダウンギャンブルを阻止した阪急が、FGを決めて追加点を奪い、24−17で今季初勝利を獲得した。
「能力や技術は相手が上。今日は“勝ちたい”という気持ちで上回れました」と、破顔一笑の廣見ヘッドコーチ。長いトンネルを抜け出した喜びを爆発させた。
「今日勝たないと入替戦行き。最後まで諦めずにやりました」と殊勲のQB橋本。「この勢いで次も勝ちます」と気を吐く。
一方、「(次の試合まで)期間は短いけど立て直して、最終戦はしっかり勝って終わります」とイワタニの森下監督。WESTのサバイバルマッチは、ますます混沌としてきた。
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