FINAL6出場の夢はかなわなかったものの、“2強”に次ぐ存在感を示すアズワンブラックイーグルスと、前の試合でイワタニが敗れ、入替戦出場の危機をのがれた阪急ブルーインズが対戦した。
どちらとも大きな目標を失った試合。しかも雨上がりの蒸し暑ささえ感じさせるフィールドだったが、両チームとも実力を出し切り、接戦を繰り広げた。
立ち上がり阪急のオフェンスを4回で押さえたアズワン。いきなり敵陣43ヤードからの攻撃権を得た。
まずはエースRB丹野が13ヤードを走り前進。ここからTE白数へのパスも決まるが、その後は阪急の好ディフェンスにあい、結局K丹野が41ヤードのFGを決めるにとどまった。
アズワンは次のシリーズで、自陣13ヤードからオフェンスを開始。今シーズン初スタメンとなったQB杉谷がTE朴に20ヤードのパスを決め前進。
ここからRB丹野がオフタックル付近を抜け、さらに次々と襲い掛かる阪急ディフェンス陣のタックルを振りほどき、67ヤードを独走TD。
途中でシューズが片方脱げながらの快走に「来季はパンツが脱げても走りますよ」とRB丹野。10−0とリードを広げた。
第2Qに入ってからは、ともに決め手を欠き得点することができない。
後半、何とか得点をしたい阪急は、自陣19ヤードからオフェンスを開始。エースRB井岡のランやRB井岡へのフェイクプレー、そしてQB橋本からTE大脇へのパスなどで、敵陣46ヤードまで前進した。
ここからはQB橋本が、QBカウンターなど自ら持って走るプレーを続けてさらに前進。またRB三井もショットガン隊形から、直接スナップを受け、パスの構えから走るなどしてゴール前14ヤードまで迫った。
ここでQB橋本がまたもや自らが走り6ヤード前進すると、最後はRB井岡が右オープンを走りぬけTDした。
続く阪急のキックオフ。なんとオンサイドキックを敢行し、これが見事に成功。再び阪急が自陣48ヤードからの攻撃権を得た。
ここでもQB橋本が自らのランを中心にオフェンスを展開する。RB三井、井岡のランなどでダウン更新を重ね、最後はQB橋本がTE大脇にTDパスを決め、逆転に成功した。
リードを許してしまったアズワンもすぐさま反撃を開始。
自陣38ヤードからRB山本の中央突破、RB丹野、長谷、朴木のランで一気にゴール前まで迫り、4thダウン8ヤードでFGではなくプレーを選択。
ここで、この日絶好調のRB丹野が2本目のTDを奪い、17−14と再び逆転した。
阪急も次のシリーズで4thダウンギャンブルを狙うがパス失敗に終わり、相手にゴール前29ヤードからの攻撃権を提供。ここはQB杉谷にしっかりとTDパスを決められ、万事休す。
さらにその直後、阪急のファンブルロストからから得たチャンスも、RB丹野がこの日3本目のTDランで追加点。終わってみれば、30−14でアズワンの圧勝となった。
アズワンの義政監督は「この試合に勝利しないと“2強に迫る”という評価を得られないという気持ちで取り組んだ。不細工な試合だったが、1年を通して見ると選手は集中してよくやってくれた。FINAL6出場のためにはもう一皮めくれないと。もう一歩です」と、着実にレベルアップするチームに手ごたえを感じた様子。
一方、阪急の廣見ヘッドコーチは「ギャンブルは判断ミス。勝てる試合を落としてしまった。2強以外は、何とか戦えるという自信をもてるシーズンになった。来季こそ3勝します」と、こちらも飛躍を誓っていた。
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