X League
リーグ記録集 1997〜2005 記録集TOP 閉じる
   
解説記事
オンワードスカイラークス VS 富士通フロンティアーズ
チーム名 1Q 2Q 3Q 4Q TOTAL
オンワードスカイラークス 6 13 0 14 33
富士通フロンティアーズ 7 0 7 0 14

試合結果を見る

個人記録を見る


CENTRALの天王山はON−SKYに凱歌!

 CENTRALの趨勢を決める天王山。オンワードスカイラークス(ON−SKY)と富士通フロンティアーズの直接対決は、高い集中力で安定したオフェンスを展開したON−SKYに軍配。Xリーグ2連覇に向かって大きく前進した。

 選手達の高いモラルと程よい緊張感の持続。今季のON−SKYチームエリアからは王者に相応しい風格が漂う。
 「昨シーズンを過ごして、自分たちがどうあるべきかを考え、選手達が成長した」と、ON−SKYの野田監督。安定感を伴った王者の闘争心はそのままプレーに発揮され、この大一番でも確実に流れを掴み、勝利を引き寄せた。

 試合開始からON−SKYオフェンスが安定したドライブを披露する。
 この日は主戦出場のRB加畑を軸にしたランプレー、QB冨澤からWR井本、前田、TE安部へのパスを交えながら陣地を進める。
 敵陣20ヤード付近では、WR井本が相手DB2人に挟まれながらも、サイドラインぎりぎりのスーパーキャッチ。ゴール前3ヤードとすると、最後はRB加畑が飛び込んでON−SKYが先制のTD。
 しかしTFPのキックは富士通LB岡村がブロック、6点に止まる。

 このゲームを落とすとあとがない富士通も負けてはいない。
 今季好調のQB中澤が、TE大木、WR高橋(睦)へとパスを決め、調子の戻ってきたRB森本の粘り強いグランドアタックで、連続ダウン更新。敵陣に入ったところでRB森本がロングゲインを奪い、敵陣16ヤード。
 ここからWR金田への早いタイミングのパスでゴール前5ヤードとすると、今度はWRブレナンへTDパスがヒット。TFPのキックも成功し、7−6と富士通が逆転する。

 直後のON−SKYオフェンスを、富士通はLB岡村を中心に気迫溢れるディフェンスでパントに追い込んだが、ここでこのゲームのターニングポイントが訪れる。
 自陣35ヤードからとなった富士通オフェンス。その最初のプレーでRB森本が力強く突破、さらにセカンドエフォートしたときに、ON−SKYのDB樋口がファンブルフォース。こぼれたボールをLB青木が確保し、ON−SKYがターンオーバーを奪う。
 このチャンスにQB冨澤がWR井本、浦への連続パスアタックで速攻。ゴール前10ヤードからTE寺島へのTDパスを決めて、12−7の再逆転。TFPはプレーを選択するがこれは失敗。

 さらに続く富士通のオフェンスで、今度はDL陣の激しいプレッシャーを受けたQB中澤がファンブル。これをLB時本が確保し、ON−SKYが再び攻撃権を獲得する。
 ここも、WR浦へのパスでダウンを一つ更新すると、RB加畑が密集をすり抜けてTDラン。TFPキック成功で19−7と、ON−SKYが一気に突き放す。
 富士通にとっては、この2つのターンオーバーからの失点が最後まで重くのしかかる結果となる。

 後半、なんとか追いつきたい富士通は、QB中澤からWRブレナンへのパス、RB森本のランなどでダウンを更新し、敵陣27ヤードと攻め込む。
 しかし、QB中澤が放ったパスをON−SKYのDL早崎がディフレクト、そのボールをDL矢部がキャッチしてインターセプトに仕留める。

 このチャンスにRB加畑の独走などで、一気にゴール前17ヤードと攻め込むON−SKYだが、ここは富士通のディフェンス陣もよく踏ん張り、FGトライとなる。
 しかもこのFGを富士通DL西がブロック、こぼれたボールを富士通DB安田が一気に相手エンドゾーンへ持ち込みTD。14−19と富士通が追いすがる。

 富士通ディフェンス陣の踏ん張りもあって、2Qに19点目を獲得してから攻めきれない状態の続くON−SKY。3Q残り1分20秒で相手のパントから攻撃権が回ってきた。「さあ、もう一度ちゃんと作りましょう」と、声をかけて選手を送り出すD.リンズヘッドコーチ。

 ベンチの期待に応え、自陣19ヤードからのシリーズをQB冨澤が丁寧にドライブ。今度はRB杉澤のランを軸に9プレー、81ヤードをRB石井のTDランで完結させる。
 さすがに気落ちした富士通オフェンスから、DB和地がインターセプトを奪い取ると、RB石井が再びゴール前から駆け抜けて連続TD。試合に決着をつけた。

 「勝負には勝ったがミスも多かった。また反省」と、野田監督。「オフェンスが落ちついてゲームを良くコントロールしてくれた。キッキングゲームでミスをすると命取りになるので、この辺はきちっとやっていかないと。今後の課題」。これからもまだまだ続く激戦、今日の勝利に酔いしれている時間はない。

 「課題としていたランプレーは出ていた。勝負できる部分もあっただけに悔しい負け方。相手ディフェンスのラッシュが思っていた以上にきつくてミスが出てしまった」と富士通の嶋監督。「今後は星の数よりも目の前の試合をきっちり戦って、自分たちの力を悔いのないように出し切っていきたい」と、誓いを新たにした。




 
 
  日本社会人アメリカンフットボール協会 Copyright (C) 2007 NFA All Rights Reserved.