1勝2敗同士の戦いになった富士通フロンティア―ズと日産スカイライナーズの一戦は、最後の最後までもつれる展開となった。
試合残り1秒に、日産K竹島が逆転の38ヤードFGを決め、24−22として日産に凱歌。富士通戦の連敗記録更新をも阻止した。
まず先手を取ったのは日産。RB田辺のラン、新人QB吉田(日大)のショットガンフォーメーションからのキーププレーでダウンを更新していく。
6分8秒にRB田辺が右、左にカットを切って、22ヤードを走りきってTD。
追う富士通は第2Q、RB森本のランプレーなどでダウンを更新して、QB中澤から左サイドを走るWRブレナンにTDパスが通り、7−7の同点に持ち込む。
しかし日産は新人RB小島(専修大)のロングラン、RB田辺、望月のランプレーを中心にゲインを重ね、敵陣4ヤードまで持ち込む。最後はRB望月が中央を突破してTD。14−7とリードして前半を終了する。
第3Q、日産は前半と同じくQB吉田、RB田辺、望月のランでゲインを重ねる。
4分44秒にQB吉田から、右サイドエンドゾーンに走るWR高林に19ヤードのTDパスが決まり、21−7とリードを広げる。
ゲームが激しく動いた第4Q。
富士通はWR金田、ブレナンへのパスがヒットして、連続ダウン更新。敵陣10ヤードまで攻め、RB飯嶋のランでTD。1TD差に追い上げる。
さらに試合残り46秒。富士通はQB中澤からTE大木への4ヤードTDパスが通り、1点差。逆転の2ポイントコンバージョンを敢行。WRブレナンへのパスが通り、富士通が22−21と逆転に成功する。
しかし日産は試合をあきらめない。
自陣14ヤードからのオフェンスでRB田辺、WR高林へのパスでゲインしていく。そしてWR佐藤への45ヤードのパスが通って敵陣20ヤードに。
「絶対、吉田ならフィールドゴールレンジまで持ってきてくれる、と信じていた」という日産のK竹島が、試合残り時間1秒で再逆転38ヤードFGを狙う。
ベンチでは選手たちが手をつないで成功を祈る。その中でK竹島がきれいにFGを決めて24−22とし、その後のキックオフリターンを止め、執念で勝利をもぎ取った。
「みんなを信じてやってきた。絶対に決めてやる、と思っていた。そしてチームリーダーとしての自覚が僕にあったからできた」と胸を張るK竹島。
「(選手たちが)奮起してくれた。富士通に勝つことを目標にやってきただけに、よくやってくれた。それに新人ながら精神的に強い吉田が自分の力をだしてくれた」と日産の田中監督は勝利を喜ぶ。
その中で主将DL松本が「次(東京ガスクリエイターズ戦・11月6日、横浜スタジアム)に勝たないと意味がない」と、富士通戦逆転勝利に沸くハドルの中で、選手たちの気持ちを引き締めていた。
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