最終節を迎えたXリーグ。横浜スタジアムで行われた日産スカイライナーズと東京ガスクリエイターズの一戦は攻守で圧倒した日産が66−6で勝利。リーグ戦成績を3勝2敗とし、CENTRALの3位を確定した。日産が3勝をあげて勝ち越したのは3年ぶり。
Xリーグ挑戦2年目の東京ガスは今シーズンも「厚い壁」に阻まれて1勝をマークするに留まった。
キックオフ直後の最初のシリーズ、日産はRB望月の中央突破と、RB田辺のスピーディーな走りでボールを進めて、敵陣10ヤードに迫る。
ここで日産はRB田辺の右へのランを選択するも、東京ガスディフェンスが素早く反応して、プレーは失敗に終わったかに見えた。しかしRB田辺はすばやく左にカットバック、オーバーパシュートして誰もいなくなったフィールドを駆け上がって、先制のTDをあげた。
これで勢いに乗った日産は、次のオフェンスでもRB田辺が右のオプションピッチから快走して、敵陣14ヤードまでボールを運ぶ。3プレー後、RB望月がパワーでディフェンスを押し切りTD。14−0とリードを広げた。
2Qに入っても日産のオフェンスは止まらない。
DB前田のインターセプトでつかんだ好機に、最大に武器であるオプションからのランを使って、東京ガスディフェンスを蹂躙。最後はRB長谷川が左サイドを上手に走り抜けて21−0とした。
東京ガスは、プレーごとにQB井川、松浦、来住野の3人を入れ替えて打開策を探るものの、日産ディフェンスのプレッシャーが厳しく、オフェンスを機能させることが出来ない。
逆に前半終了間際に日産QB吉田がTDラン。日産が28−0とリードを奪ってハーフタイムを迎えた。
後半に入り、反撃に転じたい東京ガスだが、最初のシリーズはダウンの更新すら果たせず、パントに追い込まれてしまう。
日産はQB吉田のスクランブルで一気に敵陣に入ると、この日「止まらない」RB望月のダイブでゲインを重ねてTD。
さらにキックオフ直後、東京ガスのファーストプレーで、副将DB鷹野が相手WRのはじいたボールをインターセプト、そのままリターンTDに結び付けて42−0とした。
その後も順調に得点を重ねた日産に対して、東京ガスは4Q終盤にQB来住野からWR工へのTDパスで完封負けを免れるのが精一杯だった。
日産はRB田辺の120ヤードを筆頭に、ランだけで400ヤードを獲得。自分たちの持ち味を最大限に発揮した会心の勝利だった。
日産の田中監督は「新旧交代は未完成だが、やり続けていたことが定着してきているという感触を得ている。QB吉田は1年目ということもあり最初は控えとしてサイドラインから学んでもらおうと思っていたが、エース藤澤の負傷欠場で、急遽スタートすることになったにもかかわらず、シーズンを通じてよくやってくれた。期待以上」と、新人QBの健闘ぶりに目を細める。
今季に関しては「今年の新人も含めて、3年目以内の若手が気持ち的にチームに溶け込んできている。そういう点では先が明るくなってきたといえる」と語り、若手の成長に確かな手ごたえを感じているようだった。
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