ともに負けられない戦い。ここまで1勝2敗の内外電機マーヴィーズと、善戦を繰り返しながら、いまだ勝ち星に恵まれないファイニーズフットボールクラブの戦い。
ゲーム開始早々、内外電機のQB宇渡が、一度ボールをRB光山に渡し、もう一度QB宇渡が受け取ってロングパスを投じるというスペシャルプレーを見せる。しかしこのパスをファイニーズのDB若が、相手WRと競り合いながらインターセプト。ファイニーズにいきなりビッグプレーが出る。
ファイニーズはゴール前18ヤードまで陣地を進めるが、内外電機ディフェンスも踏ん張って、ファイニーズのFGトライ。しかしこれは失敗に終わる。
だがその直後、内外電機QB寺尾の投じたパスを、今度はファイニーズLB石川がインターセプト。再びゴール前13ヤードから、ファイニーズが攻撃権を得る。
ここはQB木下のオプションキープでダウンを更新すると、ゴール前1ヤードからRB徳重が飛び込んでTD。ファイニーズが7−0と先制する。
内外電機はQB宇渡、QB寺尾とスイッチしながら、RB光山、小田らを使ってオプションアタックを試みるが、ファイニーズディフェンスの早い潰しに、ドライブが続かない。
前半終了間際には、ファイニーズQB荒木がパス攻勢でゴール前9ヤードまで迫ると、K鎧塚が27ヤードのFGを成功させ、10−0とファイニーズがリードを奪って前半を折り返す。
しかし、2Q途中でファイニーズの守護神LB石川が負傷退場。
「LB石川がイタかった」と、ファイニーズ・濱田ヘッドコーチ。「石川選手の欠場で中央のプレーが出るようになった」とは、内外電機・野村ヘッドコーチ。
このファイニーズディフェンスの生命線が欠けたことにより、後半から内外電機オフェンスが息を吹き返す。
後半最初のシリーズ。内外電機自陣49ヤードからのオフェンスは、RB小田、新人RB梅田のラン、QB寺尾からWR井上へのパスなどでドライブを重ね、ゴール前4ヤードまで連続ダウン更新で進撃。
最後はピッチを受けたRB小田が、エンドゾーンを駆け抜けてTD。TFPのキックは失敗するが、6−10と内外電機が反撃の狼煙をあげる。
何とか流れを取り戻したいファイニーズも、QB木下のキープを軸にオフェンスを展開。3Q終了間際にはゴール前13ヤードまで陣地を進め、K鎧塚のFGトライに託すが、これを内外電機のLB一色が渾身のブロック。追加点を許さない。
試合残り時間4分10秒。内外電機が自陣36ヤードからのオフェンスで、QB寺尾がキーププレーからロングゲイン。一気に敵陣31ヤードとすると、ここからRB小田が味方の好ブロックにも支えられ、再びロングゲインを奪って、ゴール前2ヤード。
最後も、RB小田が中央を抜けてTD。今度はTFPのキックも決まり、13−10と内外電機がついに逆転に成功。結局これが決勝点となり、内外電機がファイニーズに春の雪辱を果たした。
「力的には向こうが上。Xリーグを1年経験して成長したところをファイニーズに見てもらいたかった」と、内外電機の野村ヘッドコーチ。ファイニーズに勝って自力で入替戦を回避。目標の3勝までもあと一つと迫った。「次(アズワンブラックイーグルス戦・11月6日、長居)は目標を達成するためにも、良く研究して全力で戦う」と、さらなるステップアップを誓う。
さすがにショックを隠せない様子のファイニーズ・濱田ヘッドコーチは「石川が抜けたら、抜けたなりのディフェンスが出来なくては。このままでは2年前と同じ」。次節はいよいよ阪急ブルーインズ(11月6日、長居)とのサバイバルマッチとなる。「1点差でもなんとか上まわって勝たなければ」。生き残りを賭けたゲームがまだまだ続く。
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