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関西学院大学 vs 法政大学

チーム名

1Q

2Q

3Q

4Q

TOTAL

関西学院大学 ファイターズ

0

0

7

14

21

法政大学 トマホークス

0

0

7

14

21


コイントス 法政大6−3関学大 ライスボウルは法政大が出場

手に汗握る激戦は史上4度目の両校優勝で幕!

 1997年の学生日本一を決定する第52回甲子園ボウルが関西学院大学と法政大学の対戦で行われた。

 前半、法政はQB岡本がプレイアクションパス、関学はRB花房のパワープレーなどで活路を見い出そうと試みるがお互いのディフェンスの奮闘もあり、パントの応酬に終始、両チーム無得点で折り返す意外な展開。

 後半に入って、先にチャンスを掴んだのは関学だった。

 お互いに一回ずつパントを蹴りあった後の関学自陣30ydからの攻撃。スイープピッチを受けたRB花房は小気味よいステップで法政ディフェンスのタックルをかわし一気に敵陣38ydまでボールを運ぶ。その後RB猪狩のパワープレーなどで敵陣10ydまで迫るが、ここから法政守備の堅守に遭い、TDには至らない。結局第4ダウンで3ydを残し、20ydのFGトライ。関学先制かと思われた。しかしながら関学K太田の蹴ったボールは右にそれ、失敗。
 ところが法政にとってはホッとしたのも束の間、折り返しの自陣20ydからの第2ダウン、QB岡本が放ったオプションからのプレーアクションパスは関学DB福田の手に収まってしまい、インターセプト。関学はこの絶好のチャンスにRB花房のスイープ、パワーで前進、最後はTE中川へのプレーアクションパスが決まりTD、7−0と遂に先制する。

 だが、関東学生リーグで圧倒的な攻撃力を誇る法政がこのまま黙っている筈もない。続くシリーズで法政は、RB池場のブラスト、RB石川のカウンター気味のダイブが効果的にゲインを重ねていく。
 敵陣12ydまで迫ったところで関学ディフェンス陣の気力の前に3つのダウンを消費し迎えた第4ダウン6yd。タイムアウトのあとで法政が選択したプレーはブラストフェイクからのプレーアクションパス。これをQB岡本はアクロスを走るTE升田に冷静にヒットしTD。7−7の同点に追い付いた。

 こうなると法政オフェンスの勢いは止まらない。同点のまま迎えた第4Q、法政は敵陣48ydの絶好の位置から攻撃権を得る。このシリーズはRB堀田のダイブばかりか、関学の反則もあり前進。最後はRB堀田がトリプルオプションのギブで8ydを走りきりTD。法政が遂に14−7と逆転に成功した。

 しかしこの後試合は、勝利の女神を巡って二転三転する。残り4分22秒、法政の反則もあって関学は敵陣40ydで攻撃権を得る。
 QB高橋の放ったパスはポストパターンを走るWR塚崎に決まり一気に敵陣5ydに迫るが、ここでも法政の堅守の前になかなかエンドゾーンにボールを運べない。第3ダウン1yd。両軍応援団の関学コール、法政コールが絶頂に達した時、関学RB猪狩がダイブしTD、13−14とした。更に関学は勝ち越しを狙って2ポイントコンバージョンを選択。パワーフェイクからオープンに走ったQB高橋がゴール右角に自ら飛び込み15−14とした。

 あとのない法政は自陣33ydからの攻撃。カウンターオプション、ブラスト、パワーオフタックルでダウンを一度は更新するが、続く攻撃ではWR福田へのパス、QB岡本のキープをくり出すがFDには至らない。
 そして迎えた敵陣43yd地点での第3ダウンショート。ダイブフェイクをしたQB岡本からのピッチを受けたRB池場がフィールドを切れ上がり、関学ディフェンスを置き去りにしていく。逆転のTD。21−15。歓喜に沸く法政ベンチ。待ちわびた甲子園制覇がすぐそこまで来ている。

 残り59秒。しかし法政はここから関学の関学たる所以を知ることになる。自陣24ydから始まった関学の攻撃はWR竹部へのパス、QB高橋のロールアウトからのスクランブルで敵陣48ydに迫る。ダウン更新のチェーン移動のため時計は止まる。25秒をさしていた時計が再び動き、WR竹部へのパスが決まる。WR竹部はサイドラインを割り、再度、時計を止める。第2ダウン3yd。残り16秒。WR畑へのパスが決まり、敵陣21ydへ。
 関学は最後のタイムアウト。残り8秒。スタンドにいる誰もが最後だと思ったこのプレー。関学はWR畑へのアウトパターンで再び時計を止める。
 関学の伝統の重みすら感じさせたプレーであった。

 残り4秒、敵陣9yd。QB高橋のすべての想いを乗せたダ円球がエンドゾーンで待つWR竹部の胸に収まる。21−21、同点。関学ベンチの青い波が大きく揺れる。凍りつく法政ディフェンス陣。

 しかし、ああ。勝利の女神は本当に浮気者だ。

 関学の勝利を決める筈だったTFPは無情にもゴールを逸れていく。信じられない幕切れに沸くスタンド。史上稀に見る激戦は両校優勝という結果で幕を閉じた。

 コイントスの結果、法政が関学の想いと一緒に、ライスボウルに初出場することが決まった。

 


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