X League
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    法政大学 VS 立命館大学

チーム名

1Q

2Q

3Q

4Q

TOTAL

法政大学 トマホークス

14

3

0

0

17

立命館大学 パンサーズ

6

3

3

13

25


立命館大4年ぶり2度目の優勝!
法政大またしても惜敗。単独優勝に届かず


 第53回甲子園ボウルで4年振り2回目の出場の立命館大と5年連続7回目の出場の法政大が対戦した。

 試合は序盤、法政のペースで進んでいく。RB井出の60ydの独走TDで先制したのを始め、QB木目田のオプションキープのTD、これにFG1つを加え、前半だけで法政のバックフィールド陣のスピードに戸惑う立命守備陣を相手に17点を稼ぐ。
 これに対して立命はキックオフリターンで古庄がビッグリターンを見せ、好位置から攻撃を始めるものの、積極的にブリッツを仕掛けていく法政の守備陣の前にTDに結び付けることが出来ず、結局3本のFGを成功させて前半を終えた。

 17−9と法政大リードで迎えた後半、いきなり立命にビッグプレーが飛び出る。KRに入った里見はキックオフのボールをキャッチするとグイグイと加速。あっという間に法政カバーチームを置き去りにして相手エンドゾーンまで駆け抜けた。関学戦を彷彿させるこのプレー、しかし今回は立命にホールディングの反則があり、TDは無効となってしまう。歓声が溜息に変わる。
 しかしながら立命攻撃陣はこれに気落ちすることなく、自陣40ydからの攻撃をRB杉山のカウンタープレー、パワーオフタックルなどで着実に前進。ラン警戒で前陣強調気味の法政守備の裏をついたプレーアクションパスなども効果的に決まり、敵陣27ydまでボールを進める。

 しかしここでも法政守備の早いリアクションにボールを進めることが出来ず、結局FG止まり。K松本がきっちりこれを決め、12−17と1TDで逆転というところまで追い上げる。

 続く法政の攻撃を立命守備陣が2回の更新で押さえると、試合の流れは俄然、立命に移っていく。
 自陣29ydからの攻撃を、TBをもブロッカーに使用するオプションからのQB川嵜のキーププレーや、効果的なプレーアクションなど、10プレーを費やして敵陣4ydまで迫る。
 第1ダウンでRB杉山が3ydを稼ぎ、迎えた第2ダウンもやはりRB杉山がゴールに飛び込んでTD。18−17と遂に逆転に成功する。

 2点ねらいのTFPは失敗におわったものの、立命のパワーと集中力が法政のスピードと個性を捻じ伏せつつあった。それが顕著になったのが続く立命の自陣34ydからの攻撃。
 このシリーズ、立命は12プレーで法政を突き放すTDを奪うが、圧巻だったのは4回あった3rdダウンコンバージョンをすべて成功させていることだ。再三のピンチをRB杉山のドロー、WR松本へのプレーアクション、そして最後はQB川嵜のキーププレーで締めくくっている。

 25−17。法政が悲願の単独制覇を果たすためには1TD以上の得点が必須になってしまった。しかし続くシリーズも立命の強力守備ラインの前に不発。3回の攻撃でパントを余儀なくされてしまう。
 甲子園に棲む魔物はまたしても法政を見捨てるのか。誰もがそう思っていた時、魔物がその姿をあらわした。それまで大きなミスがなく、完璧に近い出来だった立命攻撃陣。自陣23ydからの攻撃。QB川嵜が持つボールに法政LB平本が襲い掛かる。まさかのファンブル。これを法政が押さえ、絶好のチャンスを得る。

 今年こそ魔物を味方につけられるのか。法政はこの攻撃機会の第3ダウン残り9yd。QB木目田がTBにハンドオフのフェイク。過剰に反応する立命守備陣。TE上田がその裏に入り込む。QB木目田がこの日初めて放るパス。通ればTD。しかしボールはTE上田の指に掛かりながらも無情にもグラウンドに落ちた。法政は絶好のチャンスを逃してしまった。

 しかし法政の執念は再びチャンスを自らの手で招き寄せる。続く立命の攻撃を、後半初めてパントに 追い込み敵陣49ydから法政は攻撃権を得る。
 しかしこの時点で試合の残り時間は33秒。この状況でも法政は自分たちの攻撃スタイルを忘れることはなかった。RB井出へのオプションピッチ。TE上田へのスイングパターンが決まり、ゴール前1yd残り16秒、最後のチャンスを迎える。

 熱く燃え上がる両応援団。歓声が甲子園に渦を巻く。残り1yd。法政はRB堀田のダイブを選択。2ydのロス。インフィールドでタックルされたため、時間は進む。スパイクして時計を止め、残り時間3秒。
 最後のプレー、と誰もが思っていたその瞬間、法政にエンクローチメントの痛恨の反則。第4ダウン8ydになってしまう。おそらく法政はここでいままで自分たちがやってきた一番信頼できるプレーを選択したに違いない。RB井出へのオプションピッチだ。井出が走る。

 この時点でTDを奪ったとしても8点差は追いつかない。TFPで2点を成功させたとしても両校優勝だ。それでも法政は絶対に得点するつもりだった。これまで何度も何度も裏切られつづけてきた甲子園の魔物を今度こそ味方につけるために−。

 井出はタックルされていた。ゴールまであと3ydの地点だった。この瞬間、法政はまたしても甲子園の魔物に裏切られ、立命が2度目の学生日本一を手に入れた。


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