松下電工待望の1勝にも攻守はかみ合わず!
初戦でアサヒ飲料に敗れ、ファイナル6出場のためにはもうあとがない松下電工インパルスと、サンスターにもう一歩のところまで迫りながら金星を逃した、イワタニサイドワインダーズが対戦した。
試合開始早々、松下電工のK平船がキックオフしたボールを、イワタニのリターナーの山本が90ヤードリターンしてTD。イワタニ森下ヘッドコーチが試合前に「どんな形でもよいから先制点が欲しい」と話していた思い通りのスタートとなった。
出足からつまづいた松下電工は、スタートQBの高橋が、どうもリズムをつかめない。パスも決まることは決まるが、要所でQBサックされたり、ボールをファンブルしたりしてドライブすることができない。
そんな苦しい中にも関わらず、ようやく第2Qに敵陣40ヤードからの攻撃で、RB樫野のランとRB荒木へのパス、そして怪我から復帰したRB安藤の切れのある走りでゴール前1ヤードまで迫り、最後はRB高本が飛び込んでTD。WEST6チーム中では、一番最後となる“シーズン初TD”を奪って逆転した。
また、前半終了間際にも自陣40ヤードからの攻撃で、WR芝原への34ヤードのパスで敵陣に攻め込み、ここから安藤、高本のランでゲインを重ね、最後はWR下川へのパスが成功してTD。14−6で前半を終えた。
そして後半開始早々、イワタニのK豊野がキックオフしたボールを、KR小野がキャッチして、ゴール前4ヤードまで迫る79ヤードのビッグリターンを見せる。
ここも樫野が左オフタックルを抜けてTDし、松下電工の楽勝ムードさえ漂った。
しかし、このムードに乗り切れないのが、今の松下電工だ。10分3秒には、第4ダウンのパント体型からスナップミス。P平船がブロッカーを避けて右に走ってパントしたが、イワタニの蔵所がブロックし、ボールを拾い上げTDを奪われる。
その後のシリーズでも、QB渋谷がDB蔵所にインターセプトされるわ、あいかわらずパントスナップミスをするわで散々。
試合終了まで残り5分には、そのスナップミスから与えたチャンスにFGを許し、23−16まで追い上げられた。
かろうじて今季初勝利を挙げた松下電工の川口監督は「ミスが多すぎる。勝つ味を忘れてしもうてるので、あまりきついことは言えんけど、ダメや。ただ、勝てたことはよかった。それと小野がキックオフやパントのリターンで見せた『前へ』という姿勢は、他の選手も見習ってほしいですわ」と反省しきり。
エースQB高橋は「僕の能力うんぬんではなく、攻撃チーム全体の力を利用して、自分の力を出していきたいと思います」と徐々に自分色に染まる攻撃力にある程度の手応えを感じているようだ。
負けたイワタニの森下ヘッドコーチは「前の試合で不用意なパスが多かった分、ランによる展開を図ったのですが、出ませんでしたね。2試合連続で接戦になりましたが、『いい試合をしたチーム』で終わってしまわないよう、残りは勝っていきます」と初勝利へ向けての出直しを誓っていた。
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