9月15日敬老の日、川崎球場での3試合目。第1節の最終ゲーム、CENTRALの富士通フロンティアーズと三和銀行ラークヒルズの一戦。
台風16号の影響が心配されたが、大きな天気の崩れはなく、第4Qで2タッチダウンを挙げた富士通が14−0で三和銀行を振り切った。
富士通は、タレント豊富なバックス陣を活かしたウエストコーストオフェンスを駆使し、今季はさらなる飛躍を目指し、得点力アップを課題としてきた。
そのオフェンスを率いるQB中澤のプレイ振りが注目されたが、強風により微妙なパスのタッチにくるいが生じ、4Qまで無得点という課題の残る試合となった。
一方、三和銀行はオフェンスラインのスプリット(間隔)を広くとって、フレックスボーン体型から速いランプレーや、QB横山の自らのキープで活路を見出そうとするが、強力な富士通守備陣に対して打開策が見つからない。結局、総獲得ヤードが92ヤード(ラン62ヤード)と完全に押え込まれた。
前半富士通は、RB森本の粘り強いランを軸に再三ゲインは奪うものの、特に3rdダウンでのパスが強風の影響からか思うように決まらない。
第2Qには、TE大木、WR山村、竹村へのショートパスでリズムを掴むが、RBへのピッチミスで大きく後退するなどミスも出て、要所で決定力を欠く苦しい展開。
三和銀行も前半1stダウン獲得が3回と、敵陣へ入る事すら出来ない。しかし、DE荒川、LB今野を中心とした守備陣の踏ん張りもあり、前半は0−0で折り返す。
後半に入ると、富士通はQB中澤からWR水口へのパスを足がかりに、三和銀行陣内へと入るが、迎えた3rdダウンで、今度は三和銀行ベテランLB福木がQBサック。
またしても流れを断ち切られたかと思ったが、その直後の攻撃で三和銀行がファンブル。DE宮下がリカバーし、守備でモメンタムを引き戻す。
しかし、敵陣33ヤードからの絶好のチャンスも、またしても3rdダウンでのパスが失敗。
その後もWR竹村へのロングパスなどで、FGのチャンスを迎えるもこれも失敗。富士通スタンドからは溜息が漏れる。
その後、両チームともパントの応酬が続く。
試合がようやく動いたのは第4Qの終盤。富士通は、この日好調のRB森本の力強い走りを足がかりにジワジワ前進すると、やはりRB森本が今までのうっぷんを晴らすかの如く、41ヤードを走り切りTD。
これでモメンタムは完全に富士通のものとなり、パントブロックから得た、試合終了間際の残り2秒のチャンスにも、RB飯嶋がパワープレーから1ヤードを飛び込み、14―0。
地力に優る富士通が粘る三和銀行を敗り、開幕戦をものにした。
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