XリーグCENTRAL第2節、レナウンローバーズと三和銀行ラークヒルズの対戦は、89ヤードラッシュ、1TDをあげたRB福本裕一の活躍などで、ローバーズがラークヒルズを18−6で破り、今季初勝利を獲得、通算成績を1勝1敗とした。
一方のラークヒルズは0勝2敗となった。
台風18号によるフェーン現象の影響か、川崎球場はキックオフの午前11時にはすでに30度を超える熱気に包まれていた。その中で観客を最もわかせたのは、レナウンの41歳ベテランQB鈴木隆之だった。
鈴木が登場したのは第2Q6分過ぎ。6−0とリードしているものの、スターターQB八木の調子が今一つ上がらない中での投入となった。
自陣の13ヤードから得意のショットガンフォーメーションを駆使して次々とショートパスを成功させ、オフェンスを進めて行く。その司令塔ぶりは、日本大やレナウンで、昭和のフットボールをリードした全盛期の姿を彷彿とさせるものだった。
スパイライルの甘い球こそあったものの、パスコントロールとハドルでのリーダーシップは絶品。3rdダウン4という場面ではQBドローを見せて歓声を浴びた。
第3、4ダウンコンバージョンを計5回中4回成功させて、ボールを5分15秒もコントロールしながら87ヤードを19プレーで「完走」。最後は自らの6ヤードスクランブルTDランで結実させた。
いいドライブでしたねとの問いかけに、試合後の鈴木は「久々ですね。でも、オフェンスをドライブさせるのは得意なんですよ」と言って笑った。
「あのQBドローは決めうち。イメージどおりのプレーでしたね。でも、僕はあくまで八木のためのワンポイントですから」と後輩を立てることも忘れなかった。
試合はローバーズが先制した。第1Qに三和銀行QB横山が、ローバーズディフェンダーのプレッシャーを受けながら放ったパスを、CB羽鳥がラークヒルズ陣内26ヤードでインターセプト。このチャンスをRB福本の2回のラッシュでTDに結びつけた(TFPは失敗)。
その後もローバーズは、福本のブラストを中心にプレーを組み立てるが、QB八木のパスが不調で、畳みかけることができない。ラークヒルズも38ヤードのFGトライを失敗、その次のドライブではFGフェイクのパスが失敗に終わるなど、チャンスをつかめないままに試合が膠着してしまう。
鈴木のTDランで12−0(TFP失敗)として、前半を終えたローバーズは、後半にK吉田の2つのFG(42ヤード、30ヤード)で18−0とし、ほぼ大勢を決めてしまった。
三和銀行は途中出場のQB佐藤(知)が残り13秒でRB佐藤(敦)に10ヤードのTDパスを成功させる(TFP2点コンバージョンはパスインターセプトで失敗)のが精一杯だった。
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