XリーグCENTRAL第3節、すかいらーくスカイラークスと、富士通フロンティアーズの対戦は10月6日東京ドームで行われ、富士通がラン、パスにバランスのとれたオフェンスを爆発させて、28−13と快勝、通算成績を2勝1敗とし、プレーオフ進出に望みをつないだ。
富士通が上位にランクされるチームを倒したのは94年以来5年ぶり。逆にすかいらーくは、今季初めてスコアボードに得点を刻んだものの、白星なしの3連敗となった。
前節で鹿島に惜敗し、プレーオフに向けてあとがない富士通であったが、エースQB中澤がチームの窮地を救う。左右にショートパスを散らし、ディフェンスが広がったところでRB森本にボールを持たせて走らせるウエストコースト攻撃は、今季3試合目にして最も完成度が高かった。
この試合での中澤の成績は、26試投で18回成功、174ヤードを獲得して、2TDパスを成功。第2QにはWR竹村への38ヤードTDパスを決めるなど、プレーメーカーとしての潜在能力の高さを見せつけた格好だ。
しかし、本人は「今日はミスもあった。プレーオフに行くチームになるにはもっと力をつけなくてはいけない」と厳しい表情を崩すことはなかった。
またディフェンスは、第1、2ダウンで相手のランを確実に止め、第3ダウンロングの状況でパスを投げさせるというローズヘッドコーチのゲームプランが当たった。
試合のポイントとなったのは、富士通が14−6とリードした第3Qだった。RB加畑の87ヤード独走TDとTFP成功で1点差と迫ったすかいらーくは、その後の富士通の攻撃をパントに追いこみ、モメンタムを呼びこむことに成功。
しかし、その次のドライブ第1プレーでQB山田が痛恨のエクスチェンジミスを犯し、ボールの所有権を奪われてしまう。
「あのファンブルが痛かった」と矢口ヘッドコーチが試合後に悔やんだように、このターンオーバーから得たチャンスを、富士通が森本の2ヤードTDランにつなげて21−13と点差を広げ、再びモメンタムを奪いかえした。
第4Qにも、中澤からTE平塚へのTDパスが成功し、28−13。結局富士通がそのまま押しきって、貴重な白星を重ねた。
すかいらーくは、加畑が185ヤードラッシングとひとり気を吐いたが、26ヤードしかゲイン出来なかったパス攻撃の不調が、最後まで足を引っ張った。
ディフェンスが持ち前の粘り強さで前半の富士通のラン攻撃を止めていただけに、その頑張りに応えられなかったのが残念だ。
富士通は次節でいよいよ全勝のシルバースターと対戦する。
重要な一戦を前にローズヘッドコーチは「何よりも今日勝って連敗を免れたことに大きな意味がある。シルバースターは3試合で7失点という強いディフェンスを持ち、大型のOLも揃っている。今日は今季で一番のゲームだったが、シルバースター戦ではこれ以上のプレーをしなければ勝てないだろう」と表情を引き締めた。
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