第一節、EASTの開幕戦。対決するには早すぎる注目の好カード、リクルートシーガルズとオンワードオークスの一戦が9月13日東京ドームで行われた。
試合終了間際まで固唾飲むスリリングな展開になったが、オンワードが6点差を守り切り、20ー14で王者リクルートを下した。
オンワードはリアクションの速いリクルート守備陣に対して、機動力のあるQB富澤を先発起用。
冨澤はその期待に応え、持ち味であるロールアウトや自らのキープ等で突破口を開き、2シリーズ目で、WR神へのストリークパスでリクルート陣に入ると、その直後に期待の新人RB杉澤(東海大)が「今季はパワープレイでいく」(パウロズニック・ヘッドコーチ)の言葉通り、右サイドのゾーンパワーから22ヤードを独走TD。7−0と先制した。
一方、SB安部、大久保へのフラットゾーンへのパスを中心に気迫溢れるオンワード守備に挑むリクルートだが、度重なる反則罰退でペースを乱すと、QB松本がオンワードLB石川にインターセプトを喫する等、リズムに乗り切れない。
第2Qに入ると、オンワードは約7分間を消費したロングドライブの末、K小島が33ヤードFGを決め、10−0と差を広げる。
引続きショートパスで打開策を見出そうとするリクルートは、前半終了間際にオンワードのファンブルから掴んだチャンスに、W杯出場ホットラインQB松本からWR河本への34ヤードポストパターンがヒット。リクルートの停滞ムードを一掃する起死回生のTDで反撃の狼煙を上げる。
しかし、昨年の雪辱に燃えるオンワードは後半、QBをエース須永に交代。須永はWR渡部、新人WR福田らへ、立て続けのロングパスで一気に前進。
とどめは再びRB杉澤が、右スイープからFB真柄の好リードブロックにも助けられ6ヤードを走り切りTD、17−7と再度リードを広げる。
リクルートはこの日「練習でも精度が低かった」と副将WR河本が言うように、得意のクイックスクリーンが思うようにロングゲインを奪えず、モメンタムを引き寄せられない。
第4Qを迎えると、さらにFGを決められ20−7とされる。
リクルートはゲインを奪うと反則、そしてオンワードLB石橋、加茂田にインターセプトされるという悪循環を繰り返す苦しい展開が続く。
残り時間2分弱。リクルートが最後にようやく意地のドライブを見せる。
このドライブは、この日完封されていたWR堀江への5ヤードTDパスで結実する。14−20、6点差と詰め寄る。この時点で残り12秒。
続くK大久保の絶妙のオンサイドキックが見事に成功。奇跡を願い最後の望みを託したQB松本の放つダ円球が、東京ドームのカクテル光線に照らされて大きく弧を描いた。しかしオーバースローで万事休す。
オンワードが昨年大敗の雪辱を晴らし、大事な一戦をものにした。
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