本格的な冬の到来を予感させる日中最低気温14℃。川崎球場の第1試合。
ディフェンディングチャンピオン・リクルートシーガルズがその寒さを吹き飛ばすような猛攻で、5TD、2FGを奪い、42−0の完勝。前節初勝利をあげた東京海上ドルフィンズを一蹴した。
リクルートはこれで勝ち点を6とし、また一歩プレーオフ進出に近づいた。一方、敗れた東京海上は、再昇格1年目での勝ち越しの夢は叶わなかった。
第1Q、リクルートは選手層の薄い東京海上ディフェンス用に用意した「ノーハドルオフェンス」を今季初めて披露。あっという間に東京海上陣内に攻め込むものの、東京海上ディフェンス陣も踏ん張り、タッチダウンは許さない。しかし、今季成長著しいK大久保が2つのFGを決めて、6点を先制する。
第2Qに入るとリクルートは、敵陣中央付近で得たチャンスから、東京海上の反則でゴール前に攻め込むと、QB松本がスクランブルからエンドゾーンでフリーになったWR清水に14ヤードのパスをヒット。13−0とさらにリードを広げる。
一方、東京海上もアンバランス体型からFB中西のダイブ、QB高橋のパスで攻撃のリズムを掴もうとするものの、リクルートディフェンス陣にダウン更新さえ許してもらえない。
第2Qに入ってからは、WR田中へのショートパスを中心にダウン更新をあげるものの、3rdダウンコンバージョンが決まらず、思うようにオフェンスがつながらない。
このまま前半終了かと思われた第2Q残り1分。リクルートはWR大久保へのパスを足がかりに、WR河本のクイックスクリーン、RB米田のランでゴール前4ヤードまで迫ると、とどめはQB松本からWR小池へピンポイントパスが決まり、僅か58秒で80ヤードをTDドライブ。
TFPも、K大久保が走り込んで2ポイントコンバージョン成功。21−0として前半を終える。
前半終了間際のドライブで勢いに乗ったリクルートは、第3Qに入ってもRB亀山のラン、主将DB仲のインターセプトリターンTD、さらに新人QB井上からWR高岡へのTDパスも飛び出し、一気に3TDをあげて、第3Qで42−0と試合を完全に決めた。
タッチダウンこそ奪えなかったが、この日の東京海上オフェンスは、アスリート能力の高いQB高橋を中心に、工夫を凝らしたマルティプルなオフェンスを展開。再三リクルートディフェンスを苦しめた。
特に第3Qには、パスを受けたTE基からRB奈良へピッチするスペシャルプレイ「スポット・ラトラル」を見事成功させ、ダウンを更新。
また、フリーフリッカー、ブーツレッグからのスローバックパス、リバースプレイ等、ディフェンスのリアクションが速いリクルート用のプレーを次々に成功させ、観衆を沸かせた。
リクルートは、最終節でさくら銀行、東京海上は東京三菱銀行戦で、今季のリーグ戦日程を全て終了する。
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