前節リクルートとの直接対決に敗れ、3年連続のファイナル6進出に黄信号が灯った日産プリンス東京スカイラーナーズと、1勝2敗の東京三菱銀行センチュリアンズが対戦した。
試合は、開始直後から両チーム反則を連発する荒れ気味の展開となったが、少ないチャンスをものにした日産プリンス東京が10−0で逃げ切った。
試合開始直後、日産プリンス東京はRB関野のダイブ、RB田辺のオプションなどでゲインを試みるが東京三菱銀行DB米田のインターセプトなどもあり、なかなかリズムを掴めない。
一方の東京三菱銀行も、RB大西のゾーンパワーで突破を試みるが、ホールディングなどの反則を連発し、前進するに到らない。
膠着状況が続く中、先にチャンスを得たのは日産プリンス東京だった。日産プリンス東京のPR伊橋は、東京三菱銀行P笠原が蹴ったボールを自陣25ヤード地点でキャッチすると、相手タックルの力を上手く殺しつつ、73ヤードのビッグリターン、一気にゴール前2ヤードまでボールを返す。
このチャンスに日産プリンス東京は4thダウンまでおいこまれつつも、最後はRB関野がエンドゾーンに駆け込んでTD。7−0と先制に成功する。
先制はしたものの、この日の日産プリンス東京のオフェンスは、強力フロントを誇る東京三菱銀行ディフェンスの前に、得意のダイブが思うように進まない。
キープ、ピッチなどの展開も試みるが、これも東京三菱銀行DE本間、辰巳らのハードな当たりの前に十分なオプションプレーが出来ず、結局後半に3点を加え10−0としただけで、それ以上追加点は奪えなかった。
追う東京三菱銀行も、後半に入ってQBを先発の松平から北沢にスイッチし、試合の流れを変えようとパスを多用するが、リズムに乗りかけたところで日産プリンス東京CB吉田にインターセプトを食らうなど、決め手に欠く攻撃を繰り返すばかりだった。
結局試合は10−0で日産プリンス東京が逃げ切ったものの、終わってみれば双方合わせて実に22回もの反則を取られ、僅差の試合の流れに水を差す結果となった。
日産プリンス東京はこれで3勝目となり、ファイナル6進出を賭け、最終のオンワード戦に臨むこととなった。
日産プリンス東京・石原ヘッドコーチは「相手のリズムに合わせちゃう悪い癖がでちゃいましたね。リクルート戦を終えて、チーム全体に一山越えてホッとした雰囲気も確かにあった。ま、そのあたりが、まだまだ力不足なんでしょうね」と語り、次のオンワード戦に向けては「春(パールボウルトーナメント)も展開によっては5TDは取れる内容だった。行けるときにはどんどん行くという意気込みで31点差をつけて自力で(ディビジョン1位になって)ファイナル6に進出したい」と語った。
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