1999年FINAL6初戦。西日本会場である阪急西宮スタジアムに姿を現したEASTの雄、リクルートシーガルズ。対するは、今季WESTで優勝候補筆頭の呼び声高かったマイカルベアーズ。
初顔合わせとなったこの対戦。マイカルが地元で戦うこともあって緊迫した展開も予想されたが、昨年度王者は貫禄十分。攻守にわたりマイカルを圧倒し、ファイナルスコア37−7の快勝で西武ドームへと駒を進めた。
「初めての場所。初めての相手。じっくりと様子を見ました」(D.スタント)。
立ち上がりリクルートはランプレーで様子を見る展開。マイカルは3rdダウンコンバージョンでパスアタックを狙うが、ことごとくQBサックで潰されきっかけがつかめない。
ゲームが動いたのは1Q終了間際。自陣15ヤード付近からの3rdダウンロングで、QB松本が放ったパスをDB西田がインターセプト。マイカルが、敵陣34ヤードからと絶好のチャンスを得る。
ショットガンからRB山口へのダイレクトスナップで、ロングゲインを奪うもののホールディングで罰退。しかしこのあとRB杉山、SB菊地のランアタックが決まり、ゴール前13ヤードに迫る。Qタイムを挟んだ2Q、1分30秒。QB夏目からWR竹田へ会心のパスでTD。TFPも決まって、7−0とマイカルが先制する。
「2Qに入ってね、相手の強いところ、弱いところ大体わかりました。あとはシーガルズのフットボールをするだけです」(D.スタント)。
リクルートオフェンスがいきなり火を噴く。自陣42ヤードからのオフェンスはQB松本からWR脇田、河本、堀江へ立て続けにパスをヒット。瞬く間にゴール前1ヤードまで迫ると、最後は中央をRB米田が駆け抜けてTD。わずか2分で同点とする。
2Q6分すぎには、その前のシリーズでエースWR竹田を負傷で失い、焦りの見えるマイカルQB夏目がWR東野に投じたパスを、リクルートDB玉ノ井がインターセプト。この敵陣25ヤードの得点機に、QB松本からWR堀江にワンプレイでTD。14−7とあっさり逆転。
次のリクルートのシリーズ。自陣30ヤードからのオフェンスを、RB中野、WR堀江、SB大久保(勝)、安部らへの5連続パスでゴール前22ヤードまで運ぶと、再びSB大久保にパスが通りTD。TFPは失敗したものの20−7、試合はこの時点で勝負があった。
一度手にしたモメンタムは渡さない。初戦でオンワードにかき回されたリクルートは、一段としたたかなチームになっていた。
後半に入っても、リクルートペースは止まらない。3QのファーストプレーでSB大久保(勝)へ54ヤードロングボムを成功させると、今度は4連続ランプレーで、最後はRB越後のTD。27−7と差を広げる。
マイカルもRB波武名のラン、QB夏目、RB山口らが繰り出すスペシャルプレーで必死の挽回を図るが、リクルートDB寺田のインターセプトに断ち切られるなど、要所でリクルートディフェンスに締められ得点には至らない。
結局、4QにもK大久保(征)の35ヤードFG、RB亀山の6ヤードTDランなどで加点したリクルートが、37−7の圧勝劇でFINAL6の初戦を飾った。
「次は鹿島。とても強い。でも彼らを破らないと日本一は手に入らない」(D.スタント)。
シーガルズの「GULLS QUEST」は、いま始まったばかりだ。
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