アサヒビールシルバースターとアサヒ飲料チャレンジャーズの兄弟対決。ディフェンス力が安定している両チームだけに接戦が予想されたが、試合の行方はミスで決まった。
立ち上がり、まずはアサヒ飲料がシーズンを戦ってきた強さをそのまま見せつけた。
アサヒビール陣内34ヤードまで攻めこんだアサヒ飲料は、4thダウンでパントを選択。この日スタートQBでも出場の“ミラクルパンター”田中が絶妙のパントをみせアサヒビール陣インチまで蹴りこむ。
ここからのアサヒビールの攻撃で、QB金岡のランプレーをDB天河がエンドゾーン内でタックルしセーフティー。幸先良いスタートを切った。
アサヒ飲料は次のキックオフ直後の1stプレー。今度は田中に代わって、QBに入った西岡がQBキープで左のオフタックル付近を突破。そのまま57ヤードを走りぬけてTD。9−0とリードを広げた。
対するアサヒビールはなかなかリズムに乗ることができない。第2Qもファンブルで攻撃権を失ったり、自陣15ヤードから30ヤード近くのドライブも、最後はファーストダウンを奪えずパントに終わるかと思われた。しかし、ここでアサヒ飲料に1つ目のミスが出る。
相手がパントしたボールをリターナーの吉田が痛恨のファンブル。アサヒビールにゴール前20ヤードからの攻撃権を与えてしまった。ここからはTDを奪うことはできなかったものの、最後はK泉が2
2ヤードのFGを決め、9−3と追い上げた。
後半早々も、アサヒ飲料は田中の投じたパスをインターセプトされるという苦しい立ち上がりだ。ここでは相手のFGが外れ、ことなきを得たが、とうとう次のシリーズで取り返しのつかないミスを犯す。
自陣30ヤードからの攻撃で、田中からRB進藤へのパス、そしてRB中村が豪快なランを見せるが、わずかにファーストダウンに及ばずパントを選択。ここでスナップされたボールをP田中がファンブルし、そのボールを拾い上げたLB中山が26ヤードを走りTD。とうとう9−10とアサヒビールが逆転に成功する。
その次のシリーズでは、QB金岡からWR梶山への39ヤードのパスが決まり、相手陣内に攻めこむと最後はK泉が37ヤードのFGを決めて9−13とリードを広げると、第4Qに入っていきなりのシ
リーズでも同じく金岡から梶山への43ヤードのTDパスが決まりリードを11点に広げ、ほぼ勝利を手中にした。
アサヒ飲料も6分53秒にQB西岡のリバースプレーでTDを奪い、TFPもプレーを選択して追い上げを図ったが失敗。そのまま20−15で、アサヒビールが2年連続6回目の東京スーパーボウルへ駒を進めた。
試合後、阿部監督は「前半は苦労しましたが、第4Qまでには点を取れると思っていましたので、心配はしていませんでした。梶山は取って欲しいところで良いプレーをしてくれました。次はリーグ戦でやられた鹿島が相手ですが、アサヒ飲料のためにももうひとつ勝ちに行きたいです」と気合を入れる。
一方の藤田ヘッドコーチは「リーグ戦で助けられたキッキングですが、今日はそのミスで自滅しました。来年へ向けて、選手ひとりひとりがフットボールにどう取り組んでいくかをチーム全体の課題として取り組んでいきます」と話していた。
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